あらすじ
気候変動で国家の枠組みは破綻し、巨大資本を持つ者が絶大な権力を握るようになった近未来。富裕層に属するマイラは、意に染まぬ結婚を強いられ、鬱屈した日々を送っていた。ある日、夫であるフレイが豪華客船の試験航行を兼ねたクルーズに招待されたことから友人夫婦たちとともに旅立つことになるが、航海の途中、目を覚ますとクルーは姿を消し、乗客8名だけが波間に漂う船に取り残されていた。緊迫した状況下でしだいに夫の酷薄な本性への嫌悪を募らせていったマイラは、ひとり離れて船内を探索し、船倉で手錠に繋がれ衰弱した青年を発見する。言葉のまったく通じない青年と過ごす中、正体不明の処刑人により、ひとりまたひとりと乗客が殺されていき・・・・・・。
2024年ノベル大賞準大賞受賞作品を改題・改稿したデビュー作!
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Posted by ブクログ
私のオレンジ文庫のイメージは中華系のお話、和風ファンタジー、恋愛要素だったりと「theキャラクター文庫」というイメージだったので、タイトルやあらすじを見て、なんだか毛色が違ってライトノベルっぽいなぁと思っていました。(MFJ文庫とか電撃文庫あたりのイメージです。)
ふだんSF系もあまり読まないので、ふーん…と思いながら読み始めてしまったのですが、
読み始めるとものすっっっごく面白かったです。
どうしてこんな事件が起きたのか、犯人は誰なのか、マイラは何を選ぶのか。誰が生き残るのか。夢中になって読み進めてしまいました。
普段キャラクター文庫が好きなもので、マイラとテグのその後が気になってはいるのですが…。すっきりとした終わり方で読みやすかったです。しかしやはり続きが読みたい気持ちがとてもありますし、ライラや、リンク・ダンチのことももう少し知りたかったです。
SFっぽいですが、普段あまりSF読まないなあ…という人にも読みやすい作品だと思いました。