あらすじ
まだ叶わない夢。でも新しい出会いはある。
売れっ子小説家になった10年前の同級生・天野の頭を整理するという仕事を引き受けた清掃員の黒川。
彼女は小説家になりたいという夢を10年間叶えられずにいた。
「私もまた、天野のように物語る存在になれるのか?」天野との対話という「整理」を繰り返しながら、心揺れる黒川。
そんな中、亡き母、高校時代の教師、そして生意気な子供など、彼女は様々な人々と“出会う”。
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Posted by ブクログ
連載中で現時点では未完の作品だがなかなか興味深い作品。他者理解のテーマ、というか、日常的に自分の生活領域に存在するが価値観やモノの見方が異質な相手と関係性を作り上げることがテーマになっている。
このテーマが難しいのは、他者どれだけ異質であっても著者が描くかぎり何らかの形で理解できるように描かなければならないということで、結局は他者のようで自己の投影を描くだけになってしまい、予定調和というか他者の陳腐化に陥るリスクがあるからである(「お前の気持ちもわかる、しかし…」)。
この点、本作は他者そのものの造形から一歩引いた部分、つまり他者との接触部分にある異物感・異質感をよく描写できていてスリリングである。どこまで持ちこたえられるのか注視してゆきたい。