あらすじ
最強の悪魔祓いである『聖女』の娘として生まれたメリル・クライン。
幼少より持て囃され続けた彼女は、傲慢かつ自惚れきった性格に育ったが――初任務で悪魔と対峙した際、ある事実に気付いてしまう。
「私って何の力もないのでは?」
『聖女』たる母の才能は、何一つとしてメリルに受け継がれていなかったのだ。
無能の身で悪魔と睨み合う絶望的な状況の中、悪魔が発した「我は誰も殺していない」という言葉にメリルは活路を見出す。
「――ならば、私があなたの無実を証明してみせましょう!」
三下系七光り聖女がただ己の保身のため、舌先三寸で「謎」を解き、周囲の勘違いが加速する──
やがて『不戦の聖女』と呼ばれる最弱少女の活躍を描く、新感覚の勘違い系コメディ&ミステリー!
【書籍版限定の書き下ろしエピソード収録】
・付章 『その手は届かず』
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公メリルの割と口の悪い流れるような一人語りと冴えた推理がかなり面白いけど、最強聖女のママが全面に出てくるとなぜか興醒めしちゃうから第三話のママパートと書籍書き下ろしの最後の話は微妙だったかな…
人間臭いメリルが舌先三寸と口八丁と我が身可愛さで窮地に陥ったり推理したりしていく姿が楽しみなので…
第一話の終盤から家に居着いた悪魔・白狼が悪魔と獣の力を活かした相棒としての働きはきちんとしつつ(メリル的には)いらんことも多々言うのが面白くて好印象
各話伏線と論理が効いてるし、第三話【誘いの歌声】事件は前二件を踏襲したロジックが使われてるのがミステリとして技アリだった
推理パートはメリルの洞察力と思考力がちゃんとしている上になかなか役者なので、探偵役としての魅力がある
推理によって真相を解き明かすのは副次的な効果で、人々に納得や心の救いを与えるのが主眼なのはこの世界観と「聖女」という役職ならではかもしれない