あらすじ
【人間は、馬鹿だ。ただの機械に、命のないモノに、自分の命を懸けてしまう。】
大学生の実沙は、「探偵の記録者」のアルバイトを教授から頼まれた。探偵事務所を訪ねると、そこにいたのは、AI探偵・エキシマと、エキシマにこき使われる助手・空木のコンビだった。どこか不自然な科学者の家、13年前の少年の死の謎を解こうとする容疑者の集まり、殺人犯が出歩く雪の夜道……。エキシマは、誰よりも早く殺人犯を見つけ出し、ある目的を達成しようとする。不自由な機械の体で犯人を探すエキシマ、彼女が唯一心を許す空木、そして「最悪の未来」を回避するために真相究明を急ぐ実沙の推理バトルが幕を開ける!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
エキシマは表紙のようなヒト型ではく、ラグビーボールのような楕円に4本足ついている黒い物体。会話は独特で、所有者の空木にしか解読できないし、命令できない。空木はリュックにいれていつもエキシマを持ち歩いている。
誰が作ったのかもわからないエキシマには特別な事を見抜いて断罪する能力がある。
特殊設定ミステリなのでしょうか。ミステリというよりSFっぽい印象をうけました。英語タイトルがついた章が5つで、読んでいくとエキシマとはなんぞや?というのが少しずつわかってきます。いや、結局私には良くわかんなかったけどね。あ、でも結構面白かったです。特殊設定の使い方がとても良かった。
殺人とややグロい表現ありなので中学校以上。個人なら許せる範囲かな。
Posted by ブクログ
エキシマ。空木。真砂実沙。AI。拳銃。幼馴染。人間関係。エネミー。アンノウン。フレンド。殺人者を見つける。見つけたら殺す。管理者。空木の過去は?続編ありそう。
Posted by ブクログ
誰よりも早く犯人を見つけ出そうとするAI探偵、人との関係性と機械の存在意義は… #探偵機械エキシマ
■あらすじ
AI探偵エキシマはラグビーボールほどの大きさの機械で、いつも空木という青年によって扱われていた。エキシマはある目的のために、誰よりも早く犯人を見つけ出そうとするのだ。
AI研究を専攻していた大学生の実沙は、教授からエキシマのオブザーバーを依頼される。様々な事件を一緒に推理することにより、エキシマと空木の秘密がわかり始める…
■きっと読みたくなるレビュー
皆さん、AIって利用してます? ChatGPT、Gemini、Copilotなど、色々あって良くわかりませんね。
と言いつつ、私はそれなりに使い始めてまして、様々なことをAIに相談してたりします。情報の要約、SNSや記事コンテンツ内容相談、草案の作成などなど。まぁ驚くほど便利でして、もはやないと困ります。さて本作はそんなAIが主役。そう、AIが事件を推理しちゃうというお話ですね。
ただAIが探偵役になるってミステリーは既にあるし、なんとなくネタが想像できちゃうような気もするんですが… 本作はちょっと違いますね。
まずAIが推理するんだけど、それだけではないのです。本作は連作短編で進行、いくつかの事件が発生して登場人物やエキシマが殺人犯を推理をしていくという流れではある。でも犯人が分かった後、その背景を踏まえ、エキシマがどう関連してくるかってのが読みどころだったりします。
またエキシマと空木との関係性がよくわからんのですよ。空木は亡くなった祖父からエキシマを受け継いだらしいのですが、この最先端のAI機械は一体何なのでしょうか… 読めば読むほど存在意義が???なんですが、最終話まで読むときっと想像以上にゾワゾワすると思います。
全部で五編の連作短編なのですが、どの作品もアプローチが違って飽きずに読めます。かといってアンバランスではなく、しっかり作品としてもまとまってると思いました。
特にラストシーンは上手だったなぁ~。読み物としては結構アグレッシブなことやってると思うのですが、仕掛けとエモさのバランス感覚が絶妙でして、とても美しい終始感が得られましたね。
なお謎解きとしては、かなり本格寄りです。伏線の楽しさが面白いし、ポイントを抑えた推理が切れ味鋭く読んでて納得感が高かったです。
■ぜっさん推しポイント
イチ推しは「Don't disturb me」でしたね。ホテルの続き部屋での事件なんですが、よく作り込みができてるんですよ。事件そのものは綿密で素晴らしいし、タイトルも秀逸です。
特に導入からわざとらしい展開からの捻りだったり、終盤の鋭さもセンスを感じて大好きでしたね~
Posted by ブクログ
冷酷無比にただ殺人犯を暴きある目的を達成しようとするAI探偵・エキシマと管理者の空木、彼らと関わることになった大学生の美沙が織り成すミステリーで、「最悪の未来」を回避するために推理に奔走する美沙とただ目的の達成を前提として行動するエキシマの対比が如実に描かれ、エキシマの優秀さと恐ろしさの描写がしっかり描かれているのが面白かった。