あらすじ
「出番が来たん違う?」――十六年前、神戸での震災支援を機に立ち上がったものの、その後困窮を続けるNPO法人の代表・甲斐は介護士のかすみらと共に一関に向かう。過去の経験を説き、被災地の小学生七人を率いて東京で募金活動を始めるが・・・・・・(「仮面」)。誰にも起こりうる、運命の理不尽。ふとした瞬間に生じるエアポケット。短編の名手が【人生の落とし穴】を描き出す、切れ味鋭い五作を収録。覗いたら最後、もう元には戻れません。
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Posted by ブクログ
5つの「不意撃ち」からなる短編集.
とはいえ,文芸誌に掲載の短編を5篇集めたものなので,必ずしも「不意撃ち」ではないものも含まれるように思う.
「渡鹿野」は,謎のデリヘル嬢をめぐる,ある意味ミステリーなのだが,そうか,あの事件に着地させるか.これは確かに不意打ちだ.
「仮面」は,震災を餌に暗躍する,ある種の詐欺師の皮肉な運命を描く.
「いかなる因果にて」は,主人公の少年時代に強烈な印象を残した教師の裏(表?)の顔が明らかになる.
「Delusion」は,東大の精神科医と女性宇宙飛行士との皮肉な運命.
「月も隈なく場」は,平凡な人生を送ってきた奥本氏が,ある冒険をした結果,自由の意味を知る話.
最後の話の奥本氏の気持ちはよくわかるなあ.