あらすじ
新しい時代の女性像を書き続け、韓国の女性たちから愛される作家イム・キョンソン。自身が「もっとも大切な作品(朝鮮日報 2023-05-03)」と位置付けるエッセイ『リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち(原題:やさしい救い)が待望の邦訳出版!亡き父母への様々な思いを胸に、幼少期に家族と過ごした思い出の地に娘ユンソとともに再訪することを決意したキョンソン。過去の思い出と向き合い、家族の大切さや娘との新たな絆を築いた12日間の旅路を記す。「母さん、父さん。私、ユンソを連れてリスボンに帰ってきたよ。」-『リスボン日和』作中より-
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Posted by ブクログ
母は以前に、そして最近父を見送った後、かつて自分と若かりし両親たちが過ごしたリスボンの地に娘のユンソと共に降り立つ 著者自身はあまりにも幼い時のことで多くを覚えていない中で、その欠片に触れたり、思い出深い場所を訪ねて、今の自分自身よりも若かった頃の父と母に思いを馳せる 寂しさを常に纏った文章で綴られるリスボンの街並み、人々はそれでも温かく優しい 最後のフライトの朝日に照らされた娘の頬にそっとキスをするシーンはあまりに美しく、その光景が目に浮かんでくるようだ
Posted by ブクログ
静かでゆったりとした文章表現が素晴らしい。翻訳者の力量もあるに違いない。親、娘との関係を見つめ直す著者の姿が印象的だが、リスボンに行きたくなるような風景描写も秀逸。久々のエッセイだったが読み応えがあった。巻末の写真も余韻に浸れてよし。
Posted by ブクログ
著者とその娘と著者の亡き両親とのリスボン滞在記。筆致の巧みさにより、リスボンの魅惑的な情景が脳裏に鮮やかに描き出された。また著者の内省的で繊細な感性が色濃く反映されており、その陰影のある語り口に深く惹きつけられた。