【感想・ネタバレ】一つ年上で姉の友達の美人先輩は俺だけを死ぬほど甘やかす。のレビュー

あらすじ

校内一の美少女として有名な一つ年上の先輩――緋奈藍李。
俺、雅日柊真にとっては姉の友達だけど、まともな会話すらしたことがない顔見知り程度の関係……だったはずなのに。
「どうやら私、しゅうくんを甘やかすのが好きみたい」
先輩の家へお見舞いに行ったのをきっかけに、緋奈先輩の方から急接近してきて――。手作り料理に、デート、膝枕……
「ねぇ、もっと教えて欲しいな。私の身体が、キミで疼くわけを――」
俺にしか見せない先輩の素顔。気付けば恋人(仮)の関係に!?
「私無しじゃ生きられない身体にしてあげるから、覚悟しててね」
先輩に甘やかされて堕落させられるラブコメ!
第9回カクヨムWeb小説コンテスト ラブコメ部門〈特別賞〉受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 性欲も恋心も
 その人を独り占めしたい
 独善の感情
 けれど
 誰も悲しませない幸福を願うのなら
 自分が生きる世界とは
 自分とその人とだけの間にある
 独りよがりのものではいられないから
 だから努力する
 だから認めてもらいたい
 やさしさが恋のきっかけであるのなら
 望んでも結ばれなかった多くの人たちにも
 きっとやさしさがあったはずだから
 自分の恋と同じぐらい
 彼らと彼女たちの心も
 大切にしたいから



 いやはや、激アツです。
 ベタ褒めベタ甘な作品なのは間違いないのですが、主人公・しゅうくんの倫理観、すごく私好みです。最愛の作品・装甲悪鬼村正の主人公・湊斗景明さんを連想しました。本当は誰もが、誰に気負うでもなく、自由に願いを求めていいと、その直向きな愛情を尊敬しつつ、そして、だからこそ、誰もが尊い願いを持つのなら、他の誰かの恋を叶わぬものにして、自分が叶えてしまう以上、結ばれなかった人の寂しさや悲しみも、癒せるよう、認めてもらえる人になろうとする。妬みとは、悪意。人の損得利害を破壊する力ではなく、悪意を癒す戦いというのは、途方もなく時間がかかるものです。諸葛孔明は7度勝って7度許しました。それほどの戦いを、しゅうくんは覚悟しているように思います。自分が緋奈さんを誰にも渡したくないと願うからこそ、他の数多くの男たちもまた、彼女に恋焦がれ、その想いは決して己に劣らず尊いものであると尊敬しているでしょうから。
 少なくとも、緋奈さんの目線に立ったときは、下心だけで言い寄られることの不快感と、望まずとも他の女性と溝を作ってしまう寂しさについては同情していましたが、それでも、自分自身が、緋奈さんに「無理矢理キスしたい」と願っているわけですし、そんな自分でも好きになってくれた緋奈さんこそが……たとえ、性欲に基づいた恋愛感情を持った男たちであっても、自分とおなじように、結ばれることはありえたはずであり、おなじく大切に扱われるべきものだと確信させる証拠なのでしょう。
 
 うーん、好きだなぁ。
 それでも絶対に譲らない。
 男らしいじゃあないですか。
 尊いと認めたうえで戦い、認めてもらう。
 まさにブシドーッ!です。



 君は完璧で究極のアイドル
 ちんあなご〜
 それはないしょ〜
 マリオのクッパ
 などなど、知ってる人はニヤリとするネタもあったり、面白要素も楽しました。※推しの子、マリオ、リコリスリコイル
 ……今更ですが、令和になってもクッパで通じているって、すごいですねぇ。任天堂さん。その岩田社長をして虜にさせたウルトラマン・円谷さんは更に長い昭和ですから、いやはや、日本のエンタメの絆に感動するばかりです。

 クラゲは全身が神経であり、触れた部分を捕食対象と勘違いしているだけであり、人を故意に刺しているわけではない。イルカは水面の助走が跳躍の高さを決めるのであり、体重は関係がない、つまり海で走れば、10メートルは軽く跳べる……など、生態について詳しく描かれているのも好感でした。松原始さんによろしく、私も生態の勉強は好きです。リンネ、ローレンツ、行動学は面白いです。クラゲの話題をしていたら、松原花音さんが頭によぎります。笑 ※ハロー・ハッピーワールド!

 カワウソに萌えすぎなしゅうくんに嫉妬全開な緋奈さんもかわいかった……。女性って、「女」を認めるのが意外と早いですよね。アニメキャラの女、アイドルの女、職場の女……女は女だ、と。あんなの男じゃねえ!と無意味に排撃したがる男性と違って、しっかり女性として魅力的であり、それが意中の男性を惹いてしまう脅威を認めているのです。ある意味、女性の尊敬というのは生理的であり、より根源的である気がします。ゆえに女性の組織が官僚化したときは、男性と比べて目も当てられないという皮肉もありますが……※大奥など。家斉の代はそれはそれはひどいものでした。

 それにしても、あくまでセックスはしないものの、キスマークという露骨な性欲のメタファーを刻みつけてくる緋奈さん。うーん、エッチです。この二人のR18展開も、いつかたどり着けるのだろうかと思うと、ほほえましいやら、ドキドキするやら。楽しみでございます。



 以下、脳内劇場配役です。敬称略。


 雅日柊真:水島大宙  緋奈藍李:花澤香菜

 真雪:伊藤美来    雅日母:川澄綾子

 神楽:寺島拓篤    柚葉:佐倉綾音

 心寧:沼倉愛美    鈴蘭:上田麗奈


 といった具合です。
 うん。分かる人には分かる。
 緋奈さんの攻め具合は、久保渚咲さんを連想しましたので、花澤香菜さんをお招きしました。水島大宙さんと寺島拓篤さんは、親友関係としてWhiteAlbum2の、北原春希くんと飯塚武也くんが印象的なので、そこからお招きしました。
 あとのメンバーはほとんど、「安達としまむら」がきっかけです。笑

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2025年05月24日

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