【感想・ネタバレ】しゅうまつのやわらかな、のレビュー

あらすじ

忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。
随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。


装画:つくみず
装丁:名久井直子


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小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。
もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。
水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。
ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。
むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。
『石の日』より

……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。
何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。
『煮物にもなれない』より

ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。
『コンサバ』より

深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。
『めそめそメソッド』より

神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。
それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。
『ゴッホとズボン』より

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自分自身がカウンセリングを受けていることもあり、心理士さんの頭の中を覗けたらなと思い購入。感性が光る文章で面白かった。
迷子日和、ぬいぐるみは役に立たないから、めそめそメゾットが特にお気に入り。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

全24編の作品集

「静けさをおそれないこと」
座っているだけでいいと言われても不安になることがある。
できる人を見ていると、自分なんてと思う日もある。
そんな私には、著者の祖母が言った
「役に立たないから、いいんだねぇ。役に立つもんは、どっかでいらなくなるから」が頭に残った。役に立たなくてもその場にいていいのかもしれない。

ぽかめくという造語がかわいい。

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2025年07月29日

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