作品一覧

  • しゅうまつのやわらかな、
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。 随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。 装画:つくみず 装丁:名久井直子 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。 もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。 水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。 ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。 むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。 『石の日』より ……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。 何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。 『煮物にもなれない』より ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。 『コンサバ』より 深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。 『めそめそメソッド』より 神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。 それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。 『ゴッホとズボン』より ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ユーザーレビュー

  • しゅうまつのやわらかな、

    Posted by ブクログ

    自分自身がカウンセリングを受けていることもあり、心理士さんの頭の中を覗けたらなと思い購入。感性が光る文章で面白かった。
    迷子日和、ぬいぐるみは役に立たないから、めそめそメゾットが特にお気に入り。

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    2025年02月26日
  • しゅうまつのやわらかな、

    Posted by ブクログ

    全24編の作品集

    「静けさをおそれないこと」
    座っているだけでいいと言われても不安になることがある。
    できる人を見ていると、自分なんてと思う日もある。
    そんな私には、著者の祖母が言った
    「役に立たないから、いいんだねぇ。役に立つもんは、どっかでいらなくなるから」が頭に残った。役に立たなくてもその場にいていいのかもしれない。

    ぽかめくという造語がかわいい。

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    2025年07月29日

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