あらすじ
男女二元論にとらわれないジェンダー・アイデンティティ「ノンバイナリー」についての、日本で刊行される初めてのガイドブック。ノンバイナリーである著者自身の経験や当事者へのインタビュー、統計調査などを基に、基礎知識、関連用語から歴史、人間関係、恋愛、法的問題、医療まで、幅広いトピックをわかりやすく解説。
私は、出生時に割り当てられた性別には違和感がありますが、単にトランスジェンダーだというのでもないし、こちらの対極からあちらの対極へと移動したいと願っているわけでもありません。「he(彼)」や「she(彼女)」と呼ばれるのにも違和感があります。友だちや同僚からは「they」あるいは名前で呼んでもらうのが気に入っています。(本書より)
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Posted by ブクログ
heでもsheでもない、theyという代名詞の選択肢が、個人名でもあること。たしかにこの観点からは、男女に分けない日本語の代名詞は、比較的ではあるが使い勝手がよいものかもしれない。
ジェンダーフルイドという、ジェンダーが移ろいゆく人だっている。固定観念では考えられないのであり、固定観念で考えて制度を縛ることによって、疎外感をおぼえ、人格の本質的な部分で生きづらくなってしまう人たちがいる。そのような人たちを少数派として切り捨てる法制度でよいのか。先の司法判断は、マイノリティのこうした実感に目を向ける動きの一つの現れとして歓迎したいし、世界は少しずつよくなっていると信じている。
Posted by ブクログ
今まで知らなかったノンバイナリーについて知りたくて読み、どういうことかわかったし、ノンバイナリーの人たちを取り巻く(辛く厳しいことが多い)状況もわかった。著者は言語学の知識があるので、第2章の「ジェンダーと言語」もとても興味深いものだった。
ただ、ノンバイナリーの人たちのことがわかったと言っても、感覚的には理解するのは難しい。私がノンバイナリーではないから完全に理解したり共感したりはできないものなのだろう。でも、私とは違う感覚の人がいることはわかったし、そういう違いはお互いに尊重すべきだということを忘れないでいよう。
Posted by ブクログ
私はノンバイナリーであると自認しているが、頭のどこかでノンバイナリーと公言していいのか不安があるのも事実だった。
その不安を探るためにこの本を読んだのだが、結果的にとても大事な本になった。
私はこれからもノンバイナリーでトランスジェンダーですって胸を張って言い続けたい。
また不安が顔を出した時にこの本を手に取りたい。