あらすじ
『結婚ですか』『神のみ』作者最新作!
天才・奇才が全国から集まる異能の巣窟――京都大学。
1浪の末に京大生となった山川可志夫は、「人より勉強ができる」という唯一の個性を失い、
個性ゼロのゼロ人間として恐怖と憂鬱の日々を過ごしていた。
そんな可志夫の前に現れたのは、高校3年間を共にマンドリン部で過ごした同級生・沢北陽子。
可志夫と同じ地味キャラだったはずの陽子は、現役で京大に入学したのち女子プロレスラーとして名を馳せ、
今や最も有名な京大生になっていた!
圧倒される可志夫だったが、陽子は可志夫が京大に来るのをずっと待っていて――!?
鴨川を沸かす熱い恋のゴングが今、鳴り響く!!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
・まず、大学生活の解像度の高さ(自由さ、自己の向き合い、独特な学生ノリなど)が心地よく、日常パートが面白い。京都大学だからこそのネタも多く、その雰囲気が読んでて気持ちいい。
・主人公とヒロインとの距離感が好き。また、心情描写の漫画的表現が本当に素敵。
ヒロインが主人公のことを思って行動して近づこうとしたからこそ、主人公にとっては遠い存在になっていく。だが主人公がマンダリンを演奏するとき「やっぱりこの沢北は、あの沢北なんだ」と感じヒロインへの心の距離が近くなったことを、ベンチの座ってる位置を物理的に近づけてる何気ないこの1コマを挟んでることで示しているのかなと感じた。
また、主人公のマンダリンの演奏の最中、過去の描写を描く際にコマ外に黒ではなく空を描いて、教室で演奏する主人公を逆光のなかドアから覗くヒロイン(逆光を受けているため黒髪だが白飛びしている)と、今の金髪のヒロインが重なって、現在の描写に戻るのが、表現として凄い。