あらすじ
累計23万部(紙・電子)のロングセラー『妻が口をきいてくれません』(第25回手塚治虫文化賞短編賞受賞)の著者が、独身中年女性の実像と心情に迫るコミック。西村清美46歳、教師、結婚歴なしの独身。忙しく仕事をするうちひとり暮らし歴を重ね、ろくに恋せず嫁がず産まずこの年齢に。この先もひとりで生きていくのだろうと思っていたところ、長年同居していた愛猫は旅立ち、更年期を迎えて体調が不安定となり、孤独な将来に不安を覚え始める。これまでひとりで一生懸命生きてきた自立した自分が好きだったけれど…。私の人生、これでよかったのか。これからも、このままでいいのか。そして、誰かを好きになったり好きになられたりすることも、この先一切ないまま一生を終えるのだろうか。ヨガ教室の知人は44歳で再婚し、ヨガの先生は高齢でも恋人の存在が。恋も結婚も考えていなかったけれど、「マッチングアプリ」に登録したことから、清美の日常にさざ波が立ち始める。
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Posted by ブクログ
電車移動中の暇つぶしに読もうとした私がバカでした。
終盤は涙が止まらなくなりました。
そして、夫と過ごすというなんてことない普段の日々が、私にとって大切な時間、かけがいのない温かい時間だということを思い出させてくれました。
キヨミの体のゆらぎは同年代だからよくわかるし、そこも気持ちに多少なりと影響することもわかります。
私は既婚者だからキヨミとは方向性が少し違うかもしれないけど、ふと漠然とした寂しさや不安に押しつぶされそうになるのもよくわかります。
そんな風に「キヨミ、わかるよ」を積みあげていってからの終盤の展開は…自分を勝手に重ね合わせるだけでなく、サトシに夫を重ねて(全然状況は違うけど)
「私だったら、キヨミのようにサトシに寄り添える?」という問いをずっと突きつけられているような気持ちで読んでいました。
とりわけ、一度詐欺かもと疑った後の行動力に圧倒されました。
相手を思う気持ちが探し求めるバイタリティーにつながっていると思うと、自分は同じ立場になったらどうだろう…と考えさせられる展開でした。
休みの日、部屋の日だまりで本を読み、一緒に食事をして、土手を散歩して。
ありふれた言葉だけど、等身大の幸せが最適解なんだということをキヨミとサトシにここで教えられた気分です。
どうか、これからもおだやかに、幸せに。
サトシ、早く部屋を借りられるといいね。