あらすじ
なぜカルトは人を惹きつけ、人生に影響を及ぼすのか?
カルト的集団が人々を虜にする究極のツールは「言語」なのだ――そう語る著者は、新興宗教、マルチ商法、フィットネスジム、ソーシャルメディアのカリスマなど、多様なカルト的コミュニティを調査し、彼らの操る言葉と機能を暴いていく。カルト的言語が人々を支配するからくりを明らかにした話題作。
★米アマゾンで3800以上の評価のついたロングセラー!
「カルトについての考え方を一変させる一冊」
――チェルシー・ビーカー(小説家)
「言語が私たちを魅了し欺く方法について、著者は楽しげに、そして慎重に調査する。時には、引き返せない地点を踏み越しながら」
――エリザベス・トーマス(小説家)
「ウィットにあふれ、洗練され、物怖じしない本書は、調査対象の集団と同じくらい興味をそそる」
――アンドレア・バーツ(小説家)
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Posted by ブクログ
なぜ人はカルト的な文化を持つ集団にハマってしまうのかが丁寧に書かれており、将来的に危ない宗教やヨガ教室などにちゃんと距離を置いて過ごすには、それに気づけるヒントがたくさん散りばめられていて読んでよかったなと思います。
一方で、タッパーウェアやlululemonといった企業の文化にも言及がありますが、実際に商品を使用したことのある身としては、カルト的な文化が企業にあるからといって、商品まで毛嫌いしてを全く買わないという選択をしてしまうのは機会損失にもなるかなと感じました。実際に私の家には祖母の代から使っているタッパーウェアの商品があり、その頑丈さは他社製品と比較してもメリットがあると感じています。また、lululemonも確かに高級な値段設定ではあるものの、老舗スポーツブランドと比較しても商品の質が良いと感じる面が多々あります。
結局のところ、企業については消費者として好きな製品を購入することは適度な距離を保ってもできることであり、企業に入らなければその文化を直接継承することもないので、私はそこまで問題視することはないのかなと思いました。
宗教団体については、過去の恐ろしい事例がいくつも出されており、ドキュメンタリーなどにもなっているケースがあるので、今度そちらも観てみようかなと感じるきっかけになりました。言葉の力はとても恐ろしい方向にも働くということを、解像度を上げて認識できたことがこの本を読んでの一番の収穫でした。