【感想・ネタバレ】龍ノ眼のレビュー

あらすじ

砥石で潤う豊かな村には、禁忌の“掟”が存在した――
隠密同心が御神体の正体と村の悪事を暴く!
因習に囚われた人間の愚かさと哀しさを描く傑作時代小説。

これは龍神の眼じゃ。富を生む砥窪の安寧と長命になる蓬をくださる。
隠密同心の長澤多門は、小日向藩石場村へ赴いた。そこは上物砥石を産する豊かな地。奉行所から、翡翠のごとき美しい砥石の闇取引根絶のため、探索を命じられたのだ。
砥改人に扮して潜入するや、多門は次々と奇妙な風習に遭遇する。信仰を集める「おりゅうさま」と絶対に入ってはいけない禁足地の存在、男たちが二十五歳で長寿の祝いをすること、夜中にしか表に出ない不思議な兄弟――。
だが、ある女の死によって、多門の前に村ぐるみの罪業が浮かび上がる……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

今年出会った作家さんで、イチオシの作家さんです。子どもたちの描写が素晴らしく、読後には温かい気持ちになれます。どの作品も大人たちの愚かさと子どもたちの純粋さが対照的にうまく描かれています。愚かな大人だけでなく、子どもを慈しむ大人も描かれているのも、とても良いなと思います。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

隠密同心の多聞が砥石の密造を探るべく村に潜入すると、その村にはおりゅうさまを祀り村ぐるみで女の嬰児殺しを行っていた。たかだか、50年ばかりの習慣が村の掟として存続していく集団心理が恐ろしい。

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーソドックスな村の因習の話。
凄惨なことをやっているわりには村人たちがそこまで堕ちていないのが救いか。軽いか。
子どもたちが賢すぎるのと、簡単に人を信用するのが単純だが、そうでないと話が進まないから仕方がない。

ラスト、妻の気持ちを思いやって和解できると思う主人公だが、それは甘くはないか。

気ある村人たちとの関わりを含めて、主人公に甘い話ではある。

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2024年12月21日

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