あらすじ
「見つけてあげるわよ。正しい音色の、奏で方」
他者の影が纏うノイズに侵され、命を絶とうとした俺の前に、突然そいつは現れた。元国民的女優の、星宮未幸。素顔は勝気で、時々猫かぶりで……そして、未来が視える少女。
俺の自殺を止めるため始められた、奇妙な同棲生活。過去の傷を優しく上書きするような日々には、小気味良い音色が鳴り始めーー
だけど、俺は何も知らなかったんだ。あいつが走り続けた意味も、その足を止めてしまった理由も、未来に隠したたった一つの悪戯でさえも。
これは、過去と未来を乗り越える別れの青春譚で、そして、悠久の時を超えても響き続ける愛の物語。
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Posted by ブクログ
うん、なかなか良かった。良かったのだけどーー
いわゆる難病話。
ボーカロイドの楽曲と組み合わせて死後もヒロインの歌声が世界に広がっていく展開はすごく良かった。
ただ人が亡くなる話を読む時いつも思うのだけど、その設定はある意味卑怯だ。
だって絶対切なくなるの決まってるもの。
なので展開が読めた時点で、どうしても構えてしまって素直に感動できなかったのが悔やまれる。
ところで、このお話を読んでて、そういえば美空ひばりの新曲を作ったプロジェクトがあったなと思い出した。
最近のAIの技術を使えば、歌だけでなく映像も新たに作り出せるらしいのでスクリーンの中で死者を生き返らせる事が現実になるかもしれない。
案外未来は近い