あらすじ
テレ東人気の報道記者が米中対立、中国の台湾侵攻、ウクライナ戦争の現在地といった話題から最新の国際情勢を書き下ろし。世界の見通しがクリアになる1冊。
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Posted by ブクログ
報道の現場にいるからこその、現在の国際情勢のリアルが綴られた一冊。
ロシア、ウクライナ、そしてイスラエル、パレスチナそれぞれの論理を知れば知るほどに、それぞれの戦争状態が解決することがあるのかと、絶望的になるのも事実。
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ほぼ毎日視聴しているWBSのキャスター豊島氏が書いた本当いうことで購読。
ジャーナリストらしく様々な文献や資料を基に国際政治の現状を解説しており、「ウクライナ戦争は世界をどう変えたか」と合わせて読んで、非常に勉強になりました。
この本を読む同じタイミングで「私96歳 #戦争反対」を読んだのですが、多くの一般の方が切に願う「戦争反対」が国際政治の現実ではなかなか実現しない理由が分かります。
でも本当にこの現状はどうすれば変わるのでしょうか?
そんなことを考えさせられる1冊でした。
Posted by ブクログ
非常にわかりやすいです。
また、それぞれの国の論理、言い分がその国目線で描かれており勉強になります。
日本に住んでいれば平和で日々のニュースも他人事として流してしまっているかと思います。
普段ニュースを聴いても正直わからないという方にはぜひ一読の価値があると思います。
Posted by ブクログ
なぜ戦争が起こるのか、どの国が悪いとかいう問題ではなく
それぞれの国の言い分と歴史、そして軍事能力など様々な要因がある。
日本もいつ戦争に巻き込まれるか分からない。
それを回避するにはどうしたらいいのか。考えさせられる内容であった。日本の国会議員たちにこの意識があるだろうか。
社会科の教科書としてもいいのではないかと思うぐらいであった。
Posted by ブクログ
今の国際情勢を知る、最も最新の情報が網羅されている本です。それもここまで読みやすく、わかり易く書かれている本はないのではないかと思えるほどの内容でした。この本こそ、多くの日本人に読んでほしいと、考えます。そして、今日本に足らない、ナラティブ思考を日本人が持たなければならないと思われました。
Posted by ブクログ
「中国による台湾侵攻は生じる」という前提で備えなければならない。本書の趣旨を一言でいうと、この一文かと思います。その危機感をもとに、中国・台湾だけでなく、ウクライナ戦争の当事国であるロシア・ウクライナ、パレスチナ問題の当事者のイスラエル・パレスチナ、そしてインドなど、著者の言う『各国の論理』を解説してくれてます。
ところどころ文章が「あれ?」と思う箇所も散見されますが(読んだのが初版だから?)、基本的に読み易く、分かりやすいです。著者の筆力の賜物ですね。
国際法に関する記述が多いのは、きっと著者が大学時代に国際法のサークルに所属していた影響でしょうね。
Posted by ブクログ
中国、台湾、イスラエル、パレスチナ、インド、そして日本とアメリカ。各国の立ち位置とその考え方や戦略がよく分かる、かなり勉強になる本でした。世界情勢を把握するうえで、この本が一番芯の部分から丁寧に説明してありました。次回作を望む!
Posted by ブクログ
これからの時代、アメリカ、中国、台湾、ロシア、ウクライナ、インド、イスラエル、パレスチナと現在知っておくべき国際政治の知識についてわかりやすく解説していてよい。一気に読める。
Posted by ブクログ
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」キャスター・豊島晋作さんによる国際政治の本。
米中関係
中国と台湾関係
イスラエルとパレスチナ
ウクライナとロシア
核攻撃について
インドの台頭
日本の課題
本当に目から鱗のわかりやすさ!
世界を見る目がぱっと開けた感覚になりました。
特にイスラエルとパレスチナ問題はニュースを見聞きしてもなんだかもやもやして理解しきれないことがあったのですが、両者の立場にたった言い分、それぞれの論理がとてもわかりやすく説明されていてすっきり理解することができました。
それにしても世界はこれだけ積み上げてきた歴史があり、みんな学校でも歴史を学んでいるのに、どうして戦争はなくならないのだろう。
この時期広島、長崎の原爆の日や終戦の日を迎えるたびにみんなが平和を思い平和を祈っているのに、世界は平和になるどころか、どんどん争いが増えているように感じて悲しくなります。
人間の力では防げないならAIが戦争しないようにしてくれないかな。
いくつもの核戦争開始の危機を、反対の主張をすることで救ってきた人たちがいて、今まだ核戦争は回避できているけれど、いつ思い違い、思い込み、誤認、誤作動、理性を失う、そんなことがきっかけで核戦争が起こるかわからないということが本当に怖いです。
そして、いざ巻き込まれたら、きっとどの国も
「国益と名誉を守らなければならない」
という論理でひくにひけなくなってしまうのでしょう。
日本の「ナラティブ・パワー」が弱い問題も知りました。
日本にいると国内にも山積みな問題はあるからそちらに目が向くけれど、いつ戦争が起きてもおかしくないようなことがすぐ近くにあることにもっと気づいて備えていかないといけないと思いました。
Posted by ブクログ
少し前の情報だが、今世界で起きてることを名前の通り教養として理解できた。多少の忖度を抜きにして、各国の論理を語ってくれているのが非常に好感だった。国際政治の入門になる気がする。
Posted by ブクログ
主なトピックは、
・台湾有事による米中戦争のリスク
・イスラエルとパレスチナの対立
・ウクライナ戦争
・グローバルサウスのリーダーとしてのインド
という誰もが知っているものを扱っている。
また2024年7月に刊行された書籍なので、国際政治を扱うものとしては、情報としても少し古く感じる。
ただ今ある国際問題を、それぞれの国の立場・歴史・文化等から考えて、それぞれの国の論理として纏めている点がすごく良い本だと思った。
特に、イスラエルの論理に強く心を揺さぶられた。パレスチナへの過度な攻撃で世界中から批判されているイスラエルには、これまでサイコパスなのか…?という印象しか持っていなかったのだが、その印象がまるで変わった。彼らには、世界中を敵に回しても戦う論理が存在するのだ。(だからといってイスラエルの行動を正当化出来るものではないが。)
またインドの考え方にも始めて触れて、中々に感銘を受けた。
「ロシアがウクライナで人権を侵害しているという点では、ヨーロッパやワシントンの主張は正しいのかもしれない。だが、欧米諸国も、ベトナムからイラクに至るまで、同様に暴力的で不当、非民主的な介入を実施してきた。したがってニューデリーは、ロシアを孤立することを呼びかける欧米の求めには応じない。」
「ニューデリーがモスクワを非難しないとしても、ロシアの侵略を支持しているわけではない。モスクワは、主権と領土保全の原則、国際人道法、内政不干渉の原則に明らかに違反している。だが、これらのルールに違反しているのはロシアだけではない。アメリカも主権の尊重、内政不干渉へのコミットメントからみて問題のある行動をとっている。」
全くその通りである。日本もこのように強い大人の主張が出来たらいいのに、、と思うが立場的に絶対に無理だ。。これからの日本の未来を考えると怖くなる。
Posted by ブクログ
なぜ戦争が起こるのか、各国の立場から偏りのない解説をしてくれる。
同じような本を何冊か読んでいるので目新しさはなく、内容もやはり、米中戦争、台湾有事、イスラエルVSパレスチナ、ロシアウクライナ戦争、超大国インドに絞られている。
地政学的な印象もあるけど、本書は特に各国の論理を明確に伝えているので、わかりやすくておもしろい。
イスラエルが国際社会のルールや要求に従わないことが不可解ではなくなったし、日本も他力本願ではなく自国は自分たちで守る意識が必要なのだと思った。
ロシアはウクライナとの戦いで、経済制裁や若年層の人口減少のダメージがある一方、失業率が歴代低水準になったなど、各国の状況をかいつまんで知ることもできた。
Posted by ブクログ
今の国際政治、特に戦争リスクの高い米中、パレスチナとイスラエル、ロシアとウクライナ、さらにこれらの勢力を取り巻く台湾、インド、日本を含めた国際関係について、冷静で中立的な立場からとても分かりやすく解説されている。
経済だけが最重要な時代は終わった、とする冒頭の一節にまず興味を引かれる。米中対立とその間にある台湾半導体の影響力により、サプライチェーンの断絶リスクは常にある。
戦争のリスクを戦争可能な「能力」と戦争の動機となる「意図」に分ける考え方に納得した。
イスラエルとハマスのそれぞれの戦争の論理に、根深さと正義の難しさを感じた。
■トゥキュディデスの罠
覇権国と台頭新興国はいずれ深刻な戦争に陥るリスクがある。覇権国スパルタと新興国アテネの激突を題材として、ハーバード大学アリソン教授が名付けたもの。
■ウクライナ戦争の教訓
・戦争は物量がモノをいう
・民主主義の意思決定の遅さは弱点となりうる
・非人道的兵器も使用されうる
・他国の支援を得たければ自ら血を流す
・核の抑止力は機能する
Posted by ブクログ
国際情勢をざっくりと把握するため、最低限必要な知識がわかる。おっさんが読んでも、なるほどと思わされることも多かった。若い人に読んでほしい良書だと思う。
Posted by ブクログ
各国の主張が非常にわかりやすく書かれており勉強になる。
ロシア侵攻で核の効果が明らかになったこと、イスラエルとパレスチナは敵を倒さなければ自分がやられるという思いでいつもいること、中国とアメリカの話など、各国の主張がそれぞれの国の利権を唱えるあまり全員にとってウィンウィンというのがなかなかない複雑な国際政治の様子を実感した。
Posted by ブクログ
__日本を含めて平穏に暮らす国家に住む人々が「平和」というときは、自分たちに「現状維持勢力のバイアス」がかかっていることが多い。
平和への現状維持バイアス。他者の論理を知ることで、私たちの論理の偏りにも気づきますね。
・・・
前提として、
国家の意図と能力に注目する。
能力があれば、脅威が存在する。
意図とは各人間集団が歴史や経験を通して形成してきた論理。
この論理を読み解くのは簡単ではないのだけれど、
この本では主にアメリカ、中国、台湾、ロシア、ウクライナ、イスラエル、ガザ、インド、そして日本についてそれぞれ考えが提供されています。
国家としての意図、国の政治制度によっても、何を基に意図を探るのか、論理を理解するのか、難しい。
そして、リーダーの意図から分析するにあたっても、善悪や道徳、平和主義などの主義主張といった個人の説得力に依存するものを主題に据えない、ことが強調されています。
戦争と平和の問題について、個々人が人間的な感情や論理をもって話すことは可能なのか、
そもそも国家の論理が圧倒的に優先される国際関係を前に、
どう個々人は国際政治に切り込んでいくことかできるのか、と少し無力感も感じがちですが、
…
中国と台湾の対立の論理についての感想:
日本や欧米にとっての現状維持という平和が、他者にとっては全く平和ではないことを理解する。台湾には論理があるのかないのか分からない。
中国にとって、統一こそ、最終的な平和、正義につながるもの。台湾を統一できていないのは屈辱。どの国も、平和的手段が実現しない場合は、武力行使をしてきた。国家統一は中国にとっていかなる領土紛争よりも重要。能力は、段階的に増強している。
台湾は、政党間で揺れる。与党民進党は、香港のように中国共産党に支配されるリスクがある以上、中国とは仲良くしすぎてはいけない。野党国民党・貿易関係の深い中国とは、ある程度は仲良くしないと台湾経済が持たない。
ウクライナとロシアの対立の論理についての感想:
ウクライナ戦争については前著でかなり深堀されていた。国際法はどこまで効果があるのか。ICCの逮捕状が出されることにより、日本としての責任も生まれると思った。
- 2023年3月17日、ICCはウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領らに逮捕状を出した。
- 2024年5月20日、ICCはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアヴ・ガラント国防相、ガザを事実上統治しているハマスの指導者3名に対して逮捕状を請求。逮捕状は、ICCの判事らによって正式に承認され、11月21日、ネタニヤフ首相とガラント前国防相、イスラム組織ハマスの軍事部門カッサム旅団のデイフ司令官の3人に逮捕状を交付。
核共有とその効果としての核抑止について考える:
ロシアの核抑止は機能していた、という論。
NATOによる小見出しのウクライナ軍事支援は、急なロシアへの追いつめが戦争をエスカレートさせ、核使用のリスクがあるとの下で行われたとされ、結果的に通常兵器による攻撃が核兵器による報復につながるとの見方から、NATO側の慎重行動を促した。NATOはプーチンによる核の脅しに屈し、その間ロシアの軍備強化を可能にした。
ロシアはベラルーシへの核共有により、核の脅しをより有効にした、という論。
前提、NATOでは、(西)ドイツ、イタリア、ベルギー、トルコに核が配備されている。
ロシアは2023年6月ベラルーシに配備を始める。この配備は、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟が決まったことに対抗する狙いがあり、ベラルーシから核兵器が利用される場合、アメリカはロシア領土ではなくまずベラルーシに報復すると考えられ、米露の全面戦争をひとまず避けられる。そ「全面戦争を避けられるのであれば、ロシアは本気で核を使うかもしれない」とNATO側が推測していることが重要なポイント。そしてこれにより相互核抑止が機能しなくなる恐れがある。
イスラエルとパレスチナの対立の論理についての感想:
国連決議や国際合意については、お互い都合のいい時、物について主張しているよう。
イスラエルと、もともとのハマスの論理は完全に相いれない。どうしようもない。
イスラエルの論理:殺される前に殺す。
ネタニヤフ首相は国内で汚職疑惑なとで支持を失っていたさなか、ガザでの軍事行動をテコに世論を結束させ、不法に占領した土地に住む住民のさらなる市議を得て政権延命を図る。また、イスラエルの内在的な論理として、ハマスの攻撃な、ユダヤ人が持ってきた恐怖心と生存本能に火をつけた。実戦経験を持つ元軍人リーダーからなる武人政治の国家。殺される前に殺す(ロネン・バーグマン『イスラエル諜報機関 暗殺作戦前前史』)、という病的な心理がある。
**__世界は同情するかもしれないが、結局は何もしない。であれば、自分たちで戦うしかない。たとえ世界を敵に回してでも、戦う**
という決意に、再度火をつける。
パレスチナの論理:1967年以前の境界でパレスチナ独立国家を樹立する。
ハマス旧憲章(1988年)では、
**13条「パレスチナ問題の解決に向けた提案や平和的解決または国際会議と呼ばれるところものもは、イスラームの抵抗運動の理念と対立する**
7条では、誰かが殺しに来たら先に殺せ、と重なる論理を持っている
新憲章(2017年)では、
**16条「ハマースは、この戦いはシオニストの計画に対するものであって、彼らの宗教を理由としたユダヤ人に対する戦いではないことを強調する。ハマースは、彼らがユダヤ人であるためにユダヤ人と戦うのではなく、正に、侵略占領者であるシオニストに対して戦うのである」**
**新憲章は、**7条のような敵対的表現もなくなり、コーランの引用も全くなくなり、反ユダヤ主義、イスラム主義的要素が後退した(山岡陽輝)、とのことです。
国際社会的な了解事項は、
イスラエルがパレスチナに占領地を変換し、パレスチナ国家を樹立する二国家解決で決着させるしかない。しかし、10月7日のハマスの攻撃で、ネタニヤフ首相はパレスチナ国家の樹立を否定し、二国家解決はもはや認めない考えを鮮明にしている。安保理も日本政府もアメリカも、1967年第三次中東戦争以降さらに入植を拡大してきたイスラエルに対して、1967年以前の境界を尊重するよう求めている。
パレスチナの国家承認について、
2024年5月 スペイン、アイルランド、ノルウェーがパレスチナ国家承認
それ以前にはすでに139か国、しかし、G7はどの国も承認していない。その理由の一部として、2006年以来選挙がないなど、権力腐敗があるそうです。
パレスチナ支援について、
1994年‐2020年:アラブ国家は20%ほど。うち、サウジ10%、UAE5.2%。アメリカは対立しているようで一番の援助国であり、14.2% 欧州は全体で19%、日本3%。
インドの論理ー合理的でさっぱりしている。
日本について、
インテリジェンス、つまり情報と分析が不十分。重大事態のどう対応するかという自らの論理について、日本か国民的な議論を避けてきた、と述べられています。
さらにそれに加え、発信する力、ナラティブパワーもかなり弱い、と。相手が理解できる言語で伝えられるかが試されており、たとえばイスラエルから学べる部分が多い、とも論じられています。
イスラエルの力は本当に軍事力だけではないなーと、あらためて。やっていること自体は悪であっても、そこに至るまでの背景、文脈を人々が加味する。そして、同情ではないけれども、完全に悪にはならないというか、国のなかにいる一人ひとりの生き様や体験に人々の目を引き付ける、というか。国際関係論中にあって、個々人を主体とするストーリーを持つ、とても不思議な国だ。
Posted by ブクログ
国際政治に深く触れてこなかったので、もう少し真剣に学んでみようと思い購入。
こういった類の本は、専門用語ばかりで分かりにくいという偏見があったが、本書はかなり分かりやすい内容で読みやすかった。
また、あくまで筆者が中立的な立場で論じているところが個人的にとても好印象だった。
この本自体もしっかり内容が組まれているが、文中の随所で参考文献を多く紹介しており(しかも邪魔になっていない)、それらの本も読んでみようと思わせてくれるような書き方で、読んでいてどんどん知識が頭に入っていく感覚もあった。
Posted by ブクログ
現在世界で争っている二国間の思いを論理と言う形で豊島さんが解説してくださいました。とても内容も理解しやすくと同時に日本と言う国の危機感を覚える内容でもありました。今後自分の生活の中で色々と考えるきっかけになりました。改めて勉強していきたいと思います。
Posted by ブクログ
2024年現在の世界情勢をとても分かりやすくまとめられた一冊。
WBSでおなじみの豊島さん。
様々な立場に配慮しながら注釈を入れて解説される語り口にとても好感がもてた。
Posted by ブクログ
この人のテレ東ワールドポリティクスが非常に多角的かつわかりやすい国際政治の解説だったため、本もフォローしている。国際政治の生々しいリアルと現実、なぜその行動に至るのか、なぜ紛争となるのか、核戦争や今後の可能性についてわかりやすく深掘りできる。そして日本のナラティブは何か?を深く考えさせられる
Posted by ブクログ
2年前(2022年8月)に出た前著の続編とも言える内容。
「えっ、2年も経ったのか!?」と一瞬驚いた。が、その後、世界は2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の延長とも言える時間を過ごしているとも言える。
前著が、ウクライナ戦争を中心に、翻って、日本の現状、台湾有事を考えるということで、終盤は対中国、そこでの日本の論理を展開したが、本書は、さらに視野を広めて、多くの当事者の論理を分析している。
それもやむ無し、イスラエルのガザ侵攻などもあったものだから、ユダヤの論理、パレスチナの論理と、語らなければならない当事者が増えている。
願わくば、もうこれ以上、”当事者が”増えないでもらいたい。
前著同様に、いまや戦争というリスク抜きには何も語れないという論調で、国家間の紛争、衝突の危険性と、その実現リスクおよび、それを引き起こす各当事者の能力および論理を解説している。
国際政治の入門書としては、面白い一冊にはなっている。
折しも、ウクライナがついにロシア領内に侵攻するなど、事態は最終局面を迎えつつある。
そこにまつわる各国の、世界の動きは興味深い。本書の分析を大いに参考に、趨勢を眺めさせてもらおうと思う。