あらすじ
見知らぬ場所で目覚めたルチェラ。
そこは美しくも尊大、暴風公爵と悪名高いカイの屋敷だった。
カイは現在皇帝殺しを疑われている。
潔白を示すには現場に倒れていたルチェラだけが頼りらしいが――ルチェラは記憶を失っていた。
記憶を取り戻すため、ルチェラは事件に関わる場所を連れ回されることに。
解放されたい一心で従うが修道院で虐げられた辛い記憶まで蘇る。
だがカイは過去も肯定し、ルチェラを必要としてくれた。
噂とは裏腹に真に国を思うカイを助けようと真相に迫るが、思いがけずルチェラの秘密も暴かれ――。
==登場人物==
ルチェラ
皇帝が死亡した現場近くに、修道服を着て倒れていた。
感情が高ぶると金色に光る特別な瞳には、皇国の根幹に関わる秘密が隠されていて――?
カイ
マルジョッタ皇国の皇帝を支える八公爵の一人。美青年だが傲岸不遜。
領民の生活向上のために改革を進めているが、その強引さゆえになかなか理解されない。
※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【暴君公爵と無敵の賭け事】を収録
詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください
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Posted by ブクログ
少しばかりは丸くなっていくとは言え、暴風公爵は暴君でしたなあ。
傲岸不遜すぎて、記憶喪失なのに振り回されるルチェラが可哀想になってくるというか。
まあ二人のやり取りはコントのそれでもあったので、傲岸不遜なところがコメディタッチにすることで柔らかくはなっていたけども。
そして、ギャンブルも戦闘も鬼強い。
なのに、立場は追い詰められている。
何でだ。
皇帝殺しの真犯人を見つけるために奔走する記憶喪失の修道女と暴風公爵のコンビの物語。
真犯人は割と早々に「そいつしかいない」な奴が出てくるので、犯人探しというよりは、彼をどう追い詰めるかに焦点が当たっていた気がする。
同時に次の皇帝選びについての諸々も絡んでくるという。
割とややこしいが、どちらも鍵を握るのは記憶喪失のルチェラである。
ルチェラが「修道女」なのが決め手になるところが特によかった。
真犯人は確かに追い詰めたが、次の皇帝の件、取り逃した実行犯(生死不明だが死んでなさそう)や黒幕、そして、まだ全ての記憶を取り戻せていないルチェラなど、解決してないことも多いまま終わったのが心残り。
続きがあるのかもしれない。