あらすじ
俺、陽南飛鳥には悩みがある。異世界から現代に帰ってきたせいで、高校で浮いてしまったこと。そして、隣に住んでいる彼女――文月咲耶が窓から俺の部屋にやってくることだ。咲耶は同級生であり、かつて異世界で敵として戦った魔女でもある。彼女は俺に負けたことを根に持って、今でも突っかかってくるのだ。俺の願いは平穏な日常を手に入れること。そのためには、二度と突っかかってこないよう、彼女をもう一度負かさなければならない。俺は咲耶と再び勝負を始め――その中で彼女の秘密と、俺に会いにきていた本当の理由を知ることになる。これは、異世界で最低な出会い方をした俺たちが、最高の青春を手に入れるまでの話だ。
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Posted by ブクログ
異世界に魔王の腹心である”魔女”として転移させられたヒロインの咲耶と、世界を救う"勇者"として転移させられた主人公の飛鳥。もともと同級生で『初恋の相手』であった二人が異世界で再会し、二人で現代に帰還してから始まる物語。異世界転移ものとしては異例なくらい、シリアスな展開が続く作品ですが、中心に据えられるのは飛鳥と咲耶が互いに向ける強い想い。それがあるゆえにすれ違うこともありますが、二人が共に歩める道を見出す展開にはグッとクルものがありました。続きが楽しみな期待の新シリーズです。
Posted by ブクログ
とにかくキャラクターの感情と性格の彫り込みが圧倒的な一作。
読み始めは、「やれやれ系主人公×チョロイン」というおなじみの構図かと思い、いい意味で油断する。異世界帰りというすこし変わった設定が根幹にあるが、猫を被ったお嬢様ヒロインと、拗らせたコミュ障気味の少年という、ある程度想像のつくラインに収まっている。
ここまでは、「なるほど、異世界帰りの2人が協力して青春を進めていく物語ね」と思わせる王道の導入。
――だが、どこかがおかしい。
主人公・陽南とヒロイン・咲耶のモノローグには、明らかに「語られていない何か」がある。その違和感が、魚の小骨のようにずっと喉に引っかかり続ける。
そして物語が進むにつれて、少しずつ剥がされていく「本当の感情」。
楽しいことは笑い、つらいことは誤魔化して流し、未来への不安から目を逸らす。そんな2人の姿は、あまりにも人間らしく、そして思春期の高校生らしい。しかし彼らが背負うものは常人とは遥かに異なっていた。
終盤、加速的に明かされる真相は圧巻だ。
ラブコメであり、ミステリーでもある本作を、一捻り入ったライトノベルを読みたい方におすすめします。