あらすじ
父親の罪を背負い、身を粉にして働く狐獣人のコガネは、ある時、目の見えない猫獣人の子供を助けた。身寄りがなく記憶喪失の黒猫を「クロ」と名付け、コガネはクロを大切に育てる。クロは賢く美しい少年で、コガネはクロを学校に入学させるため目の手術を受けさせようとする。だが手術費用はあまりにも膨大だった。絶望するコガネに、医師スオウはある取引を持ちかける。たとえどのような犠牲を払ってもクロのためなら何でもしたいと願うコガネは取引に応じ、クロを王都の学校へと送り出す。離れ離れになって数年後、クロが貴族の落胤だと判明し…?
【電子特別版】伊達きよ先生の書き下ろしショートストーリー「愛し君の首に鈴」を電子版だけに特別収録!
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匿名
涙が止まらない
自分が拾った目の見えない養い子クロのために、文字通り身を削って献身を捧げるコガネの深い深い愛情が胸を打つ。コガネはクロに幸せになって欲しい一心なんだけど、クロからしてみれば大好きなコガネが自分のために傷つくのが悲しい。互いの視点で書かれているのでそれぞれの気持ちが痛いほどに伝わってきて、どちらが正しいかなんてわからなくなる。普段本を読む時に涙なんて出ないのに、こちらは気が付いたら涙していた。文章が本当にさらさらと美しくて、彼らの見ている美しいものが自分の目にも映っているような心地になった。コガネとクロにはこの先ずっと健やかに過ごして欲しい。
本編が痛々しかったぶん、後日談でその後の二人をみることができて嬉しかった。忘れられない一冊になりました。
Posted by ブクログ
号泣。
伊達先生らしい、実にしんどい献身愛。
しかもこの作品は、とてもとてもよくできた、両献身愛。
ただただしんどい話がずーっと続いて、これはもうほんとに「ちゃんちゃん」では終わらせないつもりなのでは?と思うくらい、ほんと長くしんどかった。
久々号泣。