あらすじ
祝! 作詞家生活55周年。2100曲以上の作品を世に送り出してきた空前絶後の作詞家が、日々思うこと、思い出すこと、これからのことを縦横に語る。朝日新聞土曜別刷り「be」の人気連載「書きかけの…」待望の書籍化。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
作詞家の大御所。
木綿のハンカチーフ 太田裕美 (作詞家専門になってで最初の大ヒット)
赤いスイトピー 松田聖子
君は天然色 大瀧詠一
卒業 斉藤由貴
夏色の思い出 チューリップ(作詞家デビュー曲)
これラは彼の作品のほんのごく一部。
彼の作った詞でそらんじて歌える歌は多い。
実はそんなに期待しないで読み始めた本だったが、
エピソードに彼が手掛けた歌が、時にその歌詞が出てくると、
はまった。
1949年生まれということは私よりちょうど一回り上。
慶應中等部からの大先輩でもある。
そんな彼が作った作品に、私の青春はまるかぶりだ。
音楽の好みは一般的に10代(特に13〜16歳)の多感な時期に聴いた楽曲に
生涯を通じて大きな影響を受けると言われている
が、まさにその頃、松本隆の歌詞が私に降り注いでいた。
あ、松田聖子は大学にはいってからだけど、、、
なので本を読みながら、頭の中には彼の歌詞が曲とともに頭の中で駆け巡った。
♪いちご畑で私を、捕まえて、いいの
なんて。
太田裕美の「木綿のハンカチーフ」と斉藤由貴の「卒業」の
関係については触れてなかったな。
あれを知ったときは鳥肌が立ったけど。
彼の詞をオリジナル、カバーでコンサートした「風街オデッセイ」
WOWOWでやってたのに観なかったな。
これ読んでたら観たくなった。
1章 2017年(詞のかけら、心の中で熟成;シューベルトの世界を訳す ほか)
2章 2022年(武道館に渦が見えた;時間の流れごと味わう ほか)
3章 2023年(後ろ姿を見続けた歌姫;天才たちの共通点 ほか)
4章 2024年(ぼくのしあわせ;メトロノーム通りには叩けない ほか)
5章 2025年(ぞろ目の55周年;南仏の港町 何かが、ぷつっと ほか)
Posted by ブクログ
作詞家•松本隆のエッセイ。2017年に朝日新聞夕刊に載ったものと、2022〜2025年8月2日までの朝日新聞日曜版に載ったものをまとめた一冊。作詞活動55周年記念公演に合わせて出版されたものだろう。
“はっぴいえんど”のドラマーとして作詞を担当した時代から、松田聖子の一連のヒット曲を世に送り出した時代も含めて、今の松本隆が現在進行形で語られている。所々に“詩人”としての矜持が顔を出していて興味深い。
【余談】
個人的には、松本隆の本当の“凄さ”に気付いたのは、ようやく1990年頃になってからだった。
自分がリアルタイムで聴いてきた
太田裕美 と、
岩崎宏美 (偶然だがどちらもヒロミ)のシングル曲を、CDで発売順に聴き返してみて初めて気付いた。
“両者とも作曲者は全て同じなのだ!”
だが、受ける印象が違う。全然違う。極端に言えば、太田裕美の曲は、本人が“今”唄っても、さほど違和感を感じない。
だが、岩崎宏美のデビュー当時の曲は、年齢を重ねた女性歌手が唄うのはやはり無理がある。あまりにもアイドル然としていて、“十代の女の子のナマの感情”がストレートに語られた歌詞だから。(作詞は全て阿久悠)
全ての曲が筒美京平の手によるものである事は更に驚異的だが、両者の違いが“作詞家”の視点が生む方向性による違いだという事に初めて気付いた瞬間だった。
同様の事は松田聖子の諸作品にも言える。
“今”でも唄えるのだ。
言葉に普遍性を持たせる魔法。その魔法を使う魔法使いのことを人は“詩人”と呼ぶのだ。