あらすじ
ゾンビになっても未来は明るい。人間の時よりも元気な身体になるし、宇宙飛行士(※酸素や新鮮な食料を必要としないゾンビは、宇宙船や月面基地での仕事に適しています)にだってなれる。
ゾンビだって恋をする。バレンタインデーにはクラスの気になるあの子に、ライバルより高級なゴルゴンゾーラ(※ゾンビは新鮮な食品を嫌いますが、発酵食品は人間と同じものを食べられます)をあげたい。
ゾンビ誕生から「歴史完成」に至る、人間とゾンビの宇宙興亡千年史!
※2519年6月20日「新人類憲章」の成立により、長年差別的であるとされてきた「ゾンビ」という呼称は廃止されました。本書では当時の時代背景と本書の資料的意義を考慮し、一部表現をそのまま掲載しています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人間とゾンビのお話。人間から病気が発症するようにゾンビになるわけだが、普段私達が考えるゾンビになるわけではない。
1000年ほど続く宇宙にも範囲が広がるsf作品となる本作品。ただのエンタメ小説ではなく、奥の深い物語性に感動した。
Posted by ブクログ
ゾンビになっても未来は明るい。人間の時より元気な体になるし、宇宙飛行士にだってなれる。
ゾンビ誕生から「歴史完成」に至る、人間とゾンビの宇宙興亡千年史。
ゾンビの存在が公的に認められた世界での、人とゾンビの群像劇です。ライトノベルレーベルと侮れない、かなりがっつりSF興亡史。
ゾンビの存在の発生から月・火星への入植、ゾンビの名称は「新人類」と改められ、人口の過半数を突破していく。そしてその歴史の果ては……。
人間もゾンビもロボットも、存在の形は違えどみんな自由のため、幸せのため一生懸命生きている。
命の儚さと美しさを感じるいい話でした。
それぞれの話にいつの話、誰の話かが明記してあるとはいえ、時系列が行ったり来たりするのでちょっと混乱しやすいかも。
面白かったです。
Posted by ブクログ
ホラーと思いきや、SFやった…しかも壮大な…⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝スゲェ
ある日、人間が突如ゾンビ化し、世界中に徐々にゾンビ化が蔓延していく様を人間側の視点、ゾンビ側の視点という多様な視点から描いていく物語。
ゾンビ=ホラーと思い付くのが一般的だが、今回はまさかのSF大作、実に千年以上の歴史に綴られた人類とゾンビの繁栄と衰退を描いた歴史的巨編
SFというと難しいイメージだが、本作は至って読みやすいし、頁数もそこまで無い気軽に読める物語になっている。しかし読み終わった後は、こんな大作を書いているならもっと!もっと!細かな部分など読みたくなってウズウズした読後感でしたわ!
Posted by ブクログ
ラノベなのだが、SFテイスト満載のショートショート連作短編集。というか、これはレイ・ブラッドベリの『火星人年代記』のゾンビ版とでも言うべき作品である。西暦2100年代から3100年代までが描かれる。
吸血鬼が人類を圧倒し、多数派になるという作品は、過去にいくつかあったが、ゾンビが多数派になるという物語は初めてではないか。
なかなか設定はが凝っており、ゾンビは人間を喰らうわけではなく、食糧は腐った食品である。したがって、チーズや納豆などの「発酵」食品は食べることができるのだ。バレンタインデイーには「チョコ」の替りに「チーズ」を送るようになる。そして、その特性から宇宙開発(月面、火星)に重用されることになる。まあ一種の隔離政策とも言えるが。
しかし、ゾンビは既に「死亡」しており、生殖して子孫を残すことは不可能。そして旧来の人類は、いつしか滅びの道をたどることに…
本書はラノベとはいえ、侮れない作品である。
Posted by ブクログ
ゾンビSFという文化に初めて触れたが、触れてみたところでよく分からなかった。ゾンビとSF……?その合うような合わないような掛け合せの概念がまず面白い。何百年もの時をランダムに駆け巡るオムニバス調の小説ながら、作品自体にバラついた印象は無くなく、前章で疑問だった要素が即回収される完結っぷりは小気味よかった。
Posted by ブクログ
タイトルからホラーを想像して読んでいたのに、しっかりSFだった。時系列が前後するのと、話がブツ切れになるのが読みにくく、何度もDNFしようかと思った。
ゾンビも、想像しているようなものではなくて、感染症のようなものだし、私の感覚からすると、とても不思議な本だった。