あらすじ
例規審査を中心に、原課からの法律相談、訴訟対応など、必須の基礎知識と実務ノウハウを解説した、好評ロングセラーの改訂版。「改正方法の選択」「法律を理解するコツ」「法務の効果的な執行」等のトピックを追加し、内容をアップデート!
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Posted by ブクログ
大変参考になった。「法規担当」でなくても、中堅以上の自治体職員ならこれくらいの知識は持っていた方がよいのではないかと思える。以下は付箋を貼った箇所の要約。
申請に基づく処分については「審査基準」を、不利益処分については「処分基準」を定める。技術的助言等の通知自体が根拠になるのではなく、自治体が改めて法令を解釈した上で審査基準や処分基準として設定する。p.57
複合語は、十分に定着しているものを除けば、そのままでは用いない。「利用許可」とせずに「利用の許可」のようにする。p.66
基本的には、条例案と予算案はセットで提出する。ただし、翌年度以降の新制度の準備期間を要するなどの場合もある。翌年度以降の予算措置についてまで要求する趣旨ではない。pp.72-73
検察協議 p.77
趣旨規定は「定めるものとする。」が一般的。「定めることを目的とする。」は古い法令。p.90
補助金の申請手続に関する「〜しなければならない」は義務規定ではない。補助金の交付は、法的には「負担付贈与契約」と解釈されるため。p.96
教育財産の管理は教育委員会が行うが、使用料の徴収権限は長にある。p.105
附属機関の要件
②組織性があること(個々の構成員の意見を聴くだけでなく、取りまとめられた見解を出させるものであること)p.111
附属機関の構成員が議会の議員である場合は、報酬の請求権を放棄することはできない。公選法の寄附の禁止に抵触するため。pp.112-113
改め文のお手本は法律。衆議院のウェブサイトで検索する。p.152
府省令は往々にして間違いやイレギュラーな書きぶりがある。p.211
条文・改め文は、完全に1文字1マスで記述する。ワープロソフトの行頭禁則機能は解除する。p.222
Posted by ブクログ
条例等の例規審査をはじめ、法律相談、訴訟対応を担当する自治体の法規担当の仕事について、法規担当経験豊富な著者2人が、その見取り図を示すとともに、実務のコツや勘どころを解説。
自治体の法規担当に初めて配属された職員が、その仕事の全体像や最低限身に付けておくべき知識・ノウハウを習得するのにうってつけの一冊。法令関係の情報収集についてなど、類書にはあまりない有益な知見も載っていて、経験者にもおすすめ。
ただ、この本はあくまでとっかかりであり、そこから「ブックガイド・参考文献」に掲載された書籍などでさらに法制執務等について学んでいくことを前提としていることには留意が必要。
法規担当経験がある自分にとっても、よいおさらいになるとともに、規定別の例規審査のポイントや法令関係のインターネット検索のコツなど、勉強になることが少なくなかった。