【感想・ネタバレ】混迷の国ベネズエラ潜入記のレビュー

あらすじ

南米随一の産油国として繁栄していたベネズエラ。しかし、長引く政情不安や経済政策の失敗により、国民は貧困に苦しみ、日常的に犯罪が発生する南米最貧最恐の国になってしまった。

すでに「破綻国家」とも言われているベネズエラの本当の姿を見るために、著者は身の危険に晒されながら三度にわたってこの国に潜入する。果たして、著者は何を目撃するのか。

新進気鋭のノンフィクションライターが挑んだ限界ギリギリの冒険紀行。

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Posted by ブクログ

産経新聞に掲載されており、ベネズエラの国政や経済破綻のことを全く知らずに購入。
筆者は中南米を中心に取材しており、ベネズエラに3度にわたって潜入した記録となっている。
2021年3月に刊行されたばかりで、情報としての鮮度が高く、筆者の取材した中南米の実情がリアリティをもって感じられた。
こういったジャンルは、ともすればオーバーに感じられる表現が多くなりがちと感じることも多い。けれども、とても冷静な視点で対象を描いており、かつ読み物としても文章が上手い。協力者や取材対象者の描写が丁寧なため、引き込まれる。ベネズエラからコロンビアに出国する際のエピソードは、手に汗握る展開。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

南米の小国ベネズエラ。とてつもないインフレで国家財政は破綻。公共サービスはほぼストップ、治安は悪化、富裕層は国を去ったこの国の取材を著者はライフワークとする。アルバイトでお金を貯めては何度もベネズエラに潜入する。本書は「潜入記」というだけあって、著者のベネズエラ入国、取材、出国の苦労話、失敗話が中心

手を変え品を変え、ベネズエラに入国する著者の情熱はどこから来るのか、この国のどこに魅力があるのか、著者は多くを語らない。そこに山があるから登るのが登山家なら、著者にすれば、ベネズエラのことを知りたいから潜入するということなのだろう。

しかし、興味欲だけで、こんな危険な国を目指すなんて、絶対に家族にしたくない。

驚かされるのはベネズエラのインフレのすさまじさ。国民の最低賃金が日本円で月300円。で、マクドナルドハンバーガーが300円。隣国のコロンビアでは賃金は100倍。それでもベネズエラ国家は存在し、働く人がいて、住む人がいる。著者はその理由を探しているのか。

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2021年09月11日

Posted by ブクログ

国家破綻寸前といわれるベネズエラに、コロンビアから入国しルポを試みた潜入記。まずいちばん反省しなくてはいけないのは、ベネズエラの現状、みたいなことに全く無関心であったこと。潜入記自体は、国境あたりの話に終始していて、肝心の現状のルポは少なめの印象。だけど、それこそがリアルなのだろう。もうひとつ、メキシコからアメリカへの移民が乗る旅客用の列車。彼らはその列車の屋根に乗り、アメリカへの入国を試みて、大怪我や命を落とすものもいる。通称、「野獣列車」。これも、ライター自身、乗ろうとするが乗れない。取材対象になかなか入り込めず、それでも入り込もうとする姿勢がとてもリアルでした。

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2021年05月26日

Posted by ブクログ

 北澤豊雄は快著「ダリエン地峡決死行」の著者。コロンビアの日本料理屋「侍や」を拠点に中南米を旅するライターが破綻国家と噂されるベネズエラに2019年に3度「潜入する」。潜入すると言っても、不法入国するわけではない。スポーツ記者と偽ったり、単なる旅行者と偽ったり・・・まあ、そんな感じで入国し、取材する
 世界一の埋蔵量を誇る石油で豊かな社会経済を作っていたベネズエラだが、どこでどうしたのか・・今や最低賃金が月額400円(時給ではない、月収!)の国になってしまっている。そして、報道で伝えられる悲惨な状況。
 その本当を見たいと思った著者はいろんな手段を使って使って「潜入」する。何しろ「ベネズエラに行くコロンビア人の商人、十人中六人が帰ってこない」と言われるくらいに危険らしい国なのである。しかし、実際に著者が見た街には貧者が溢れているわけでもなく、まして死体が転がっているわけではない。
 しかし、やっぱり強盗に会うし、騙されるし、警察に拘束されるし、賄賂を要求される。命の危険はいつもそこにある、という感じ。ベネズエラでたくましく生きる人々のこと、破綻しかけた国の警察などの腐敗、月収400円の経済の仕組み・・ドキドキが止まらない潜入記。
 21世紀のこの地球のことである。

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2021年04月06日

Posted by ブクログ

新聞書評で取り上げられていて、ちょうどCIA分析官ライアンシーズン2の舞台でもあったベネズエラということで読んでみた。著者と同じく、もっと悲惨な国民の状況を想像していたので、少し肩透かし的な感あり。ジャーナリストとして実際にベネズエラに3回も潜入したのに、あまり深く国民生活の暗部にまで踏み込めていないのが、ベネズエラを取材する難しさなのか。
おまけの野獣列車ルポも、本物の体験談だけに迫力あり。3.2

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

平均月給日本円で400円。なのにマックのセットは300円。
彼らは一体どうやって生活さてるんだろう。

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2021年09月23日

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