あらすじ
中学受験に映し出されるのは「親の姿」
過熱する中学受験の受験者(首都圏)が、2023年には
5万2600人(私立+国立)に上った。
少子高齢化が進む日本において、異常な盛り上がりを見せており、
“受験沼”にハマる家庭が増えている。
本書は、指導歴30年を数えるベテラン塾講師が、「最強」と「最凶」の
中学受験のあり方を、塾・学校関係者の証言を交えて解説するもの。
「なぜ今受験にハマる親が増えているのか?」
「最凶となる塾選びとは」
「第一志望に合格すれば成功なのか?」など――。
コロナ禍を経て様変わりする中学受験の最前線を解説するとともに、
初期段階から入試本番までを詳解することで、「理想の中学受験」の在り方を提唱する。
【本書冒頭より】
親がこれまで勉強を忌避してきたのに、
わが子の中学受験でその「苦役」を
どうして押し付けようとするのでしょうか。
わが子の中学受験に映し出されるのは、「親の姿」。
あなたはわが子の中学受験を通じて、
「最強」の親になれますか?
あるいは、「最凶」の親に堕するのですか?
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Posted by ブクログ
過去に中学受験について多数の発信を行ってきた著者が考える「さいきょう」の中学受験とは・・・。
「さいきょう」の言葉には「最強」と「最凶」の二つがかけられている。
親の価値観や選択次第で中学受験は良いものにも悪いものにもなり得るという意味である。
中学受験ブームの過熱に伴い、主にインターネット上で中学受験について様々な言説が飛び交い、良くも悪くも「一家言」もった親が散見される・・・。
本書は、そのような現状を受けて、よく論点になる点について、時に流布している風説に反論しながら、著者なりの考えを述べていく。
上記のような背景から執筆されているため、全体の印象はやや散漫・・・・というか詰込み感がある。それだけ世間で言われていることに対し言いたい事が多いのだとは思うが次々にテーマをピックアップし、次へ次へと話を進めていくので、あまり体系立っていない印象だ。
せっかくタイトルをこのように定めたのだから、本書の全テーマにおいて「最強」ルートと「最凶」ルートを対比させるような構成にしても面白く、読みやすかったのではないだろうか。
個人的には、中学受験に対する概論としては、著者の『令和の中学受験』を推したい。
勿論、本書には多岐にわたる話題が詰め込まれているので、裏を返せばお得感はあるかもしれない。かねてより著者の考え方はバランスが良いと思っているため、有益な情報はたくさん見つけられる。
なお、本書の章構成は下記の通り。
序章:中学受験の「理想」を掲げよう
一章:中学受験を始める上で考えること
二章:わが子の世界を広げる受験勉強
三章:塾が成績を上げられない理由
四章:氾濫する受験情報
五章:中高一貫校の特徴とその魅力
六章:中学受験での親子の関わり
七章:中学受験のお悩みQ&A
終章:ぼくのかんがえた「最強」の中学受験