あらすじ
震災や環境保護の影響で脱原発、脱炭素が叫ばれ、代替エネルギーの開発競争が熾烈を極める現代。地熱発電推進派の切り札として、宮城県で巨大な「蔵王復興地熱発電所」の開発が進められていた。人気の若手衆院議員・仁科良一の見守る中、ついに巨大な熱水層が掘り当てられる。仁科は、かつて日本最大の地熱発電所を手がけた開発業者のトップ安藤幸二と共に期待に胸を膨らませるが、熱水層はすぐに枯れ、蔵王の地熱発電は暗礁に乗り上げてしまう。実は開発前の調査データの改ざんがあったというのだ。誰が何の目的で改ざんを行ったのか? 巨大なエネルギー利権をめぐって政財界の謀略と駆け引きが過熱する中、不可能と言われる夢の発電方式「超臨界地熱発電」が実現に向けて動き出す。エネルギー問題が最も注目される今、「予言の書」と言われた名作『マグマ』の正統なる後継作がついに登場!
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Posted by ブクログ
地熱発電をテーマにした小説。
どうも震災前の「マグマ」という作品の続編らしく、震災後の地熱発電について描かれている。
地熱発電については知っていたものの、ここまで採用されていないのに驚きました。
原発再稼働も大事と思いますが、地熱発電だけではなくその他の再生エネルギーも並行してもっと早く開発を進めないとまずいと思いました。
前作のつながりで登場人物が多い割には各エピソードが深堀されておらず残念です。
Posted by ブクログ
感想
エネルギー関係はほぼほぼ政治問題だな。小説に書いてある通り、奇しくも中東危機の真っ只中で、中東からの石油が止まると日本のエネルギー確保が瓦解する。何十年も前からずーっと同じ問題を抱えているから政治家もやる気ないんだろうな。
今やロシアからの資源確保も難しいから地熱とは言わないが、メタンハイドレートなど新しいエネルギーポテンシャルにも開発資金を投じていかないと戦時と同じ道を辿りそう。
あらすじ
東日本大震災が起こった後、原発行政が見直され、再生可能エネルギーに注目が集まっていた。中でも地熱発電はマイナーながら、ベースロード電源としての期待が大きい。日本は世界有数の火山国であり、地熱のポテンシャルは世界的に高いが、自然保護や他のエネルギー源の利権の関係などでなかなか普及しない状況だ。
地熱推進派の若手議員である仁科は、蔵王地熱発電プロジェクトを皮切りになんとか日本に地熱発電を根付かせるべく、あの手この手で官民の説得に駆けずり回っていた。そして、地熱の発電容量の増加と地熱発電法を制定させる。