【感想・ネタバレ】日本人の仏教史のレビュー

あらすじ

6世紀に大陸より伝来した仏教は、早くから日本人固有の宗教観と結びついてきた。空海・日蓮・親鸞・一遍のような宗祖だけでなく、空也・円空・木喰などの遊行僧をはじめ、熊野信仰や修験道などの山岳宗教、そして高野聖、山伏、放下など無名の民間僧に注目し、その歴史を辿る。どの時代でも根底にあるのは、庶民による信仰だった。明治の排仏毀釈を経て、現代へと至る長大な歴史に、仏教民俗学の泰斗が新たな光を当てる。

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Posted by ブクログ

日本の仏教の歴史が語られる際にはどうしても祖師の偉業と宗派の発展や時の政権との関係が中心となるが、それらの要素を成り立たせているにもかかわらず軽視されている庶民のうちに浸透していた信仰やその実践がいかに重要で豊穣であるかを思い知らされた。聖(ひじり)・山伏・遊行者などの名も無き仏教者によって取り入れられた仏教が古代からの庶民の祖先信仰・山岳自然崇拝から置き換わる状況にはならず、その形態を保全・強化していくものとなったことが良く分かった。

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2023年11月30日

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