あらすじ
「身勝手な女」と呼ばれたって一ミリも後悔なんかしないわ。
照子と瑠衣はともに七十歳。ふたりにはずっと我慢していたことがあった。照子は妻を使用人のように扱う夫に。瑠衣は老人マンションでの、陰湿な嫌がらせやつまらぬ派閥争いに。我慢の限界に達したある日、瑠衣は照子に助けを求める。親友からのSOSに、照子は車で瑠衣のもとに駆けつける。その足で照子が向かった先は彼女の自宅ではなく、長野の山奥だった。
新天地に来て、お金の心配を除き、ストレスのない暮らしを手に入れたふたり。照子と瑠衣は少しずつ自分の人生を取り戻していく。照子がこの地に来たのは、夫との暮らしを見限り、解放されるため。そしてもう一つ、照子には瑠衣に内緒の目的があった――。
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Posted by ブクログ
照子と瑠衣は70歳。40年来の友達だ。
照子はその瑠衣から助けを求められ、45年連れ添った横暴な夫に『別離』して瑠衣と一緒に長野に向かった。
『家出』ではなく『別離』というのが照子のこだわりらしい。
大胆な二人は実に楽しそうに暮らしていく。
なんだか羨ましい。
話しの中に前に読んだ『静子の日常』の静子さんもかっこよく登場!なんだか嬉しい。
70歳でもいきいきしている二人の話しを読むのはとても楽しかった。
Posted by ブクログ
70歳女二人の逃避行。それだけでもうおもしろそうな気配しかしない。実際、読みやすい文体も合わせて一気に読んでしまった。
自分を家政婦としか見ていないような夫、くだらない派閥争いが跋扈する老人マンションの生活、どれも振り捨てて逃げ出したいと思う事情に満ち溢れすぎていて共感しかない。私たちの生をこれからもっときちんと生きていくんだ、という意志に満ち溢れた出奔は爽快だ。良くないこともしつつ、自分や自分の心残りを昇華するための逃避行。お互いのことを大事に思っていたり、踏み込めないところにはすっと線を引いたり、二人の距離感もちょうどよくて、こんな老後が送れたらと思ってしまう。
ただ、行動力やスキルが年齢よりはだいぶ若い感じは受けるかもしれない。70歳で長距離運転をこなし、慣れない土地で仕事を見つけ、策を講じて現金を確保する。どれもやれる人はいるだろうが、それは体力や適応力がそれなり以上に高くないと厳しいと思う。(だから照子はかつての優等生設定なのかもしれない)70を迎えていれば何らかの持病で常飲する薬があってもおかしくないけれど、少なくとも彼女たちは切らすと困る薬を出してくれる病院の有無を、逃避先の候補を選ぶ指標にしていない。
結局のところ、身体と知力が資本、というのは、歳を取れば取るほど顕著になってくるのだな…と思った。身も蓋もないけれど。
それは逆説的には、身体が動くうちに「自分を生き抜いておけ」ということでもあるのだ。照子と瑠衣には憧れる。けれど誰もが照子と瑠衣になれるわけではない。
Posted by ブクログ
とてもすてきなお話だったー!!
照子も瑠衣もカッコよくてすてきなおばあちゃん。
おばあちゃん然としていなくて、とても若々しい。
照子はもともと主婦で旦那の世話ばかりしていたけど本当は活動的だし、瑠衣は生きるために働くという逞しい考え方が染み付いている。
長野の別荘地のなかで、いろんな人たちと関わり合いながらストーリーが進んでいくが、個人的にお気に入りの登場人物は静子さん。
カラフルなお召し物を着こなしてるおばあさま、好きなんだよなぁ…
冬子との再会もただただ感動というよりかは、わかる人はわかってるというふんわりとオシャレな感じだったし、全体的に漂う雰囲気がとても良き小説でした。
70歳と高齢ではあるものの、これからも生き続けることに対して前向きな二人がとてもすてきだった。
私もゆくゆくはこんなおばあさんになりたいな…。
Posted by ブクログ
60代で働いた経験がない女性が旦那と別れるのは清々しくて爽快で勇気もらえる。特に旦那の退職金を分けてもらうために家に忍び込んでパスワードを探るシーンはワクワクハラハラした。笑
どんな年齢になっても勢いよく生きていきたいものだなぁ。友情も素敵。