【感想・ネタバレ】落語少年サダキチ(さん)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 漫才と落語、どちらが面白いかをカピバラ兄弟と競うことになった忠志は、大ネタ「住吉駕籠」の練習を始める。しかし、忠志は、江戸時代にタイムスリップして師匠の粋梅の「子ほめ」を見て気づく。「落語家にそのネタをやりこなす力がなかったら、どんなにおもろいネタも台無しになる。逆に、落語家に力があったら、どんな小さいネタでも爆笑させられる」。そして、「子ほめ」を演じることにする。老人会主催のイベントで、ついに対決したカピバラ兄弟と忠志は、お互いの健闘を讃え合い、勝負は引き分けとなる。

 ところどころで笑ってしまうボケやツッコミが満載の軽妙な語り口の中に、お笑いの中における落語について、落語家の力量について、落語の魅力について考えさせられる物語だった。
 特に粋梅とのやり取りは、いつも面白い。まず、粋梅が「関西の演劇場では、落語も漫才もコントも新喜劇も手品も曲芸もいっしょくたに見せてたんや。そこでの笑いは、まあ、なんと言うたらええか……お好みみたいなもんや。好きな具をなんでも入れてぐちゃぐちゃにかきまわして焼いたら、なんとなくまとまって、具をひとつずつ別々に食べるよりずっと美味い。どの具が一番とか決めつけんほうがええんとちゃうか。」と言う。
 次に、粋梅の弟子が演じる「住吉駕籠」は退屈で、粋梅が演じる「子ほめ」では大爆笑をとるという場面を目の当たりにし、忠志は落語家の力量とネタの関係について考える。それで、忠志は「自分ができるネタをちゃんとやっていく、そこで笑いを取るしかない。」と心を決め、「子ほめ」に全力で取り組むことにする。
 さらに、老人会のイベントでの「地獄百景亡者の戯れ」。すごく好きな落語が登場してきて、しかも粋梅が演じてくれて嬉しかった。また聴きたくなった。
 江戸時代にタイムスリップすると、いつも取り組んでいるネタのヒントを、当時の生活から掴むのだが、今回は結局「住吉駕籠」はやめてしまうので、そういうくだりはなかった。それがちょっとだけ残念かな。
 ペン子のくだりは、サブストーリーとして楽しめた。

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2021年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も安定のおもしろさ!
落語もおもしろいけど、お話ももちろんおもしろいので、倍おもしろい。ぜひたくさんの人に読んでほしい!
今回は漫才vs落語という勝負に巻き込まれます。イベントでのトラブルに粋梅師匠が現れて…。かっこいい〜!!
さらに忠志のお母さんも初登場!
さぬきときつね→タヌキとキツネ(笑)

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2022年12月07日

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