あらすじ
謎に包まれた天才ミステリ作家・拝島礼一の代表作「絵札の騎士」を模倣した連続猟奇殺人事件が発生。
新米週刊誌記者の織乃未希は、唯我独尊な拝島に半ば強引に協力を求められ、秘密裏に事件を調査することになる。
”原作者”としての強みと推理力で事件を紐解いていく二人だったが、模倣犯が仕掛けた狡猾な罠や、世間に渦巻く”正義”という呪いが容赦なく襲い掛かってくる――。
壮絶な頭脳戦の果てに、二人が辿り着く驚愕の真相とは?
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Posted by ブクログ
小説なり漫画なり、その作品を連想させる事件が起きたとして、果たしてその作品を生み出した作者に責任があるのかという話は、凶悪事件の犯人が何かしらのオタクだったときによく取り上げられる話題かと思う。
この物語は、それに対する一つの答え……正確に言うと、実際に模倣されてしまったこの作者が出した解答の物語である。
それが一般論かどうかはおいておく。
あくまで、拝島礼一という作者が出した答えである。
まあ次から次へと事件が起きるし、常に犯人がその上を行く形なので、どうなるんだと手に汗握って読んだ。
手掛かりに近付いたと思ったら、合間を擦り抜けて先に行ってしまうもどかしさというか。
それでも進んでいくのが先生であり、彼のファンであり相棒である新米記者なのである。
途中コンビ解消かと思う危機はあったけれども。
実行犯が分かってやれやれと思っていたのも束の間、本当の黒幕の登場で最後まで飽きさせない展開だった。
個人的には意外な人物による、実にどうでもいい理由からの殺人だったので、別の意味で驚いたが。
あれだけの人数かけた割に、しょっぼい理由!
それで殺された側も操られた側もたまったものではない。
ただ頭は凄く切れる人だったので、その人をどうやって追い詰めるのか、先生の禁じ手な展開にご期待あれ。