あらすじ
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本書には、AID(第三者の精子による人工授精)で生まれた人たちの、生の声がつづられている。男性不妊の夫婦にとって自分たちの子を得る「最後の希望」とされる医療は、秘密を前提に実施されてきた。成長して親の嘘を知った子どもは、自身のルーツが分からないことに苦しみ、「出自を知る権利」を求めて声をあげる。生殖医療がもたらした命と家族、社会に対する問いを、ぜひ一緒に考えていただきたい。
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Posted by ブクログ
この本はAID(Artificial Insenination with Donoor’s sperm)、いわゆる子どもを持つ事が叶わない夫婦が夫の精子ではなく、第三者から提供された精子を使い妊娠する医療で生まれた方々やその家族など、当事者たちの声がまとまっています。
AIDで子どもを持つ事を秘匿とされてきた背景や夫婦およびその子どもの抱えてきた葛藤などの心情だけでなく、”出自を知る権利”の法制度や環境整備がなされていない現状の課題に至るまで学ぶ事ができます。
もし自分の設計図である遺伝子情報が不透明だったらどうだろうか?と自問自答しながら読み進めました。鏡のような存在の親が自分と血がつながっていないとある日突然つきつけられたら、信じてきた自分のアイデンティティが揺らぐのかもしれません。
そのような人生の分断が起こらないためにも、法制度の改革が進むことを願います。