【感想・ネタバレ】公営競技史 競馬・競輪・オートレース・ボートレースのレビュー

あらすじ

世界に類をみない独自のギャンブル産業はいかに生まれ、存続してきたのか。戦後、復興と地方財政の健全化を目的に公営競技は誕生した。高度経済成長期やバブル期には爆発的に売上が増大するも、さまざまな社会問題を引き起こし、幾度も危機を迎えた。さらに低迷期を経たが、7兆5000億円市場に再生した。各競技の前史からV字回復の要因、今後の課題までを、地域経済の関わりから研究してきた第一人者が分析する。
【目次】
序章 活況に沸く公営競技界
第一章 夜明け前――競馬、自転車、オートバイの誕生 一八六二~一九四五年
第二章 公営競技の誕生――戦後の混沌で 一九四五~五五年
第三章 「戦後」からの脱却――騒擾事件と存廃問題 一九五五~六二年
第四章 高度成長期の膨張と桎梏――「ギャンブル公害」の時代 一九六二~七四年
第五章 低成長からバブルへ――「公害」からの脱却 一九七四~九一年
第六章 バブル崩壊後の縮小と拡張――売上減から過去最大の活況へ 一九九一年~
終章 公営競技の明日
あとがき
参考・引用文献一覧

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Posted by ブクログ

いわゆるお上が胴元である公営ギャンブルの話です。

競馬は農水省、競輪とオートレースは経産省、そしてボートレースは国交省です。

その歴史を紐解くと、馬やオートバイなどはその発展が国の成長と結びついてい
るのがよく分かります。

馬は自動車の普及以前は主要な移動手段であったし、自転車やオートバイも同
です。

しかしボートだけは何となく異色な感じがしませんか?それには理由があるので
す。

この本では特にボートレース発展の謎を中心にしているわけではありませんが、
4つの公営ギャンブルがどのような歴史を経て、今に至るのかを解説しています。

現在は省庁役人の天下り先などではなく、さりとて資金づくりでもなく、地方経
済の発展や雇用の維持に大きく貢献している事実を私たちは忘れてはいけない、
と説いています。

「ギャンブルなんてしょうもない」と決めつけず、新たな視点を持つ大切さを
気づかせてくれる一冊です。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

知ってるようで知らない公営競技。、競馬、競輪、オートレース、ボートレース。日本独自に発展したギャンブルの歴史。

このテーマを描いた本は珍しいだろう。ある意味CMなどで身近な競技、これだけ深く掘り下げたという点だけでも面白い。

迷惑施設として、また道徳的な嫌悪感から廃止されることもありながら現代まで存続。産業振興や馬事振興の目的とは離れたが、今でも売り上げは7兆5千億円、防衛予算の1.7倍というから驚き。

自分の勤務地の市がなぜか多摩川競艇に関わっている(府中市は平和島競艇)を機に読んでみたが思わぬ掘り出し物でした。

0
2023年12月29日

Posted by ブクログ

公営競技とは、競馬、競輪、ボートレース、オートレースなどの公営ギャンブルのこと。公営競技の始まりから今日までの変遷を、経済、政治的な観点で紹介する。
各公営競技の歴史についてまとめた本はあるが、4つの競技全体を俯瞰した本は。これが初めてかもしれない。新書に簡潔にまとめてあって、大変面白かった。
自分も競馬をやるので、JRAの歴史についてはある程度知っていたが、その他の競技については関心がなくて全く知らなかった。JRA の売り上げが大きいことは、ニュースなどで報道されるけれど、意外にボートレースも人気がある。ボートは、ギャンブル初心者が入りやすいという話など、著者の経験も含めて様々なエピソードが紹介されており勉強にもなった。2000年代にJRA競馬を始めたので、自分の中ではこの頃が競馬の基準になっている。JRA基準の感覚で、地方競馬に行くと随分古臭さを感じたものだが、昔はそれが普通だったらしい。(馬券の発売方法やオッズの決め方など) ある意味、タイムスリップしたような印象があった。しかしネットで投票券が買えるようになると地方との差が小さくなるとともに、地方競馬も息を吹き返したという話は面白かった。(アイドルホース、ナイター開催、ネット投票の流れ)
著者は、今後売り上げが頭打ちになるという予測をしているが、これが当たるか、また5年ぐらい経って、その後の状況を追補版として考察してもらいたいと思う。
すぐに当り外れの話にしてしまうのが、競馬ファン(^^;)。

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2023年11月11日

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