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Posted by ブクログ
中国古典怪奇譚六編のコミカライズ。
どれもどこかで読んだ気もするが、どこで読んだのか思い出せない。きっと、今までの読書歴の中で触れてきているのだろうな、と思う。それが漫画化されたことで記憶の底から浮き上がりやすくなった、ということか。
干将・莫耶の「無明の剣」。干将・莫耶の二振りは存在が好きなので、物語に登場するだけでワクワクしてしまう。狂気に囚われた結末は後味良くないのですが、伝承として印象深くて好きです。
押掛女房「母大蟲」。押掛女房というとラムちゃん思い浮かべるのですが、源流はこんなところにもあるのではないか。微笑ましくて良い。
「ある男の善行」。白黒の無常の粋な計らい。善行はいずれ必ず返ってくるという説教臭さがないのは、ヤンキーと捨て犬の形だからでしょうかね。
印象に残った三編。
怪奇譚そのものを読んだというよりも、そのネタがいろんな形で後世の物語に散りばめられているのだな、と感じました。だから、どこかで読んだ覚えがあるのでしょう。素材は同じでも、作者によって料理の仕方が違うということです。