あらすじ
目指すは王殺しーー。
流浪の剣士が王殺しに挑むーー表題作「無名の剣」、
弓の達人、槍の達人、格闘の達人、天性の悪党…
その強さたるや尋常ならざる者たちの〈生き様〉を描く、
中国古典6編をコミカライズした極上の中華ファンタジー!!
『竜王の娘』『狐の掟』に続くシリーズ第3弾。
▼収録作品
「無名の剣」
「ある男の善行」
「僧侠」
「弓勝負」
「怖がりの老師」
「母大虫」
※本書は新作エピソード4編の他にリイド社刊『蓬莱トリビュート 中国怪奇幻想選』から2編を追加して構成しています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中国古典怪奇譚六編のコミカライズ。
どれもどこかで読んだ気もするが、どこで読んだのか思い出せない。きっと、今までの読書歴の中で触れてきているのだろうな、と思う。それが漫画化されたことで記憶の底から浮き上がりやすくなった、ということか。
干将・莫耶の「無明の剣」。干将・莫耶の二振りは存在が好きなので、物語に登場するだけでワクワクしてしまう。狂気に囚われた結末は後味良くないのですが、伝承として印象深くて好きです。
押掛女房「母大蟲」。押掛女房というとラムちゃん思い浮かべるのですが、源流はこんなところにもあるのではないか。微笑ましくて良い。
「ある男の善行」。白黒の無常の粋な計らい。善行はいずれ必ず返ってくるという説教臭さがないのは、ヤンキーと捨て犬の形だからでしょうかね。
印象に残った三編。
怪奇譚そのものを読んだというよりも、そのネタがいろんな形で後世の物語に散りばめられているのだな、と感じました。だから、どこかで読んだ覚えがあるのでしょう。素材は同じでも、作者によって料理の仕方が違うということです。