あらすじ
47歳、配偶者あり、子ふたりなのに、無職の危機!? 同僚の死、過大なノルマ、そして重大不祥事――1人の営業マンが、人の心を、組織を、社会を変える物語。――昭櫻住宅でアパート事業の営業職につく小山内行雄は、ロスジェネ世代の47歳。就職氷河期の中で大学を卒業し、紆余曲折をへて家族4人なんとか暮らせている。ある日、予算達成の見通しが立ち安堵する行雄の前に、辣腕社長の石破が現れる。「残りひと月で追加受注1億円」という無茶なノルマが課せられた!元銀行員の新人伊澤を相棒に奔走する行雄だったが……。
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Posted by ブクログ
不動産会社の営業マンのお話でした
いろいろな出来事があり楽しめました
主人公の営業マンは人間的にできた人で
営業はうまかったです
登場人物もいろんな人がいてみな個性が
あってよかったです
Posted by ブクログ
タイトルの副題が『不動産営業マン・小山内行雄の場合』とある通り、主人公は不動産会社に勤務する中年サラリーマンだ。
年代は40代前半なので、僕よりもだいぶ若いが、いやいや小説とはいえ、難しい問題が次々に彼を襲う…高校生の娘の不登校、ワンマン社長の横暴による到底無理な営業目標、何を考えているかわからない部下の指導…熱心で真面目に営業をしても、会社の方針に逆らえない毎日が続く。
住宅なんて一生に一度の買い物だから、そう簡単には売れない…会社はコストダウンの為に、法的な耐震強度を満たさない物件を扱っていることを知り、苦悩する主人公。
『国のルールより、会社のルールが大事』…会社トップがコンプライアンス違反を認識しているのに見て見ぬ振りをするしかない一介の社員たち。しかし、現場第一線には本当は悪人なんていない、目の前のお客様の契約を取る為に必死なだけなのだ。
小説は勇気ある社員の告発で、事態が明るみになり、形としてはハッピーエンドではあるものの、やはりモヤモヤ感が残る。なんかビッグモーターの社員たちを想像してしまった。
作者は風戸野小路(かざとのこみち)というようだ。また読んでみたい作家が増えました。