【感想・ネタバレ】ぼんぼん彩句のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

宮部さん俳句もなさるんだ、と思ったら俳句もなさるけど本書は宮部さんの俳句の本ではなかった。他の方が作った俳句から短編を編むという面白い試みの一冊。
毛色が違う、じわっと怖くほんのり暖かくそして切なかったりやりきれなかったりする中身の濃い12篇。こんなに短い一編の中に詰まった登場人物の人生の濃さに驚かされます。物語って長さじゃないんだなぁと改めて思います。

短編の題材となった俳句を読まれたそれぞれの方々も、自分の詠んだ句からこんな話が展開するのかと驚かれたのではないかと想像。
各章の扉がそれぞれの俳句になっているのでそれを味わい、自分なりに情景や心情などを想像してから物語を読み、そして締めにまた同じ俳句を読むと、扉で味わったのとは全く別の情景や心情に連れてこられてしまった落差にとても驚かされます。
「この句からこんな話が出てくるとは…」
とても味わい深い一冊だと思います。

ぼんぼんってどういうことなのか、と思っていたら後書きにきちんと説明されていました。
なるほど。嬉しいことにこのシリーズはまだ続きそうです。
新しいシリーズを待つ楽しみができました。

それにしても宮部さんはこんなに物語が溢れていたら時間がいくらあっても足りないのでは、と。別のシリーズもそろそろ折り返しというところですし、御本人もどこかで語られてましたがぜひ長生きされてシリーズを完結していただきたいですよね。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

12個の俳句から膨らむ短編小説。「枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる」婚約破棄されたアツコに枯れ向日葵が帰るよと言った情景が浮かび上がってきた。「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」亡くなった幼馴染に囚われている夫とその家族に意趣返しをした様がお見事。「散ることは実るためなり桃の花」娘を思う母の気持ちがやるせない。「月隠るついさっきまで人だった」〇〇のくせにという奴は信用しないようにしよう。「山降りる旅駅ごとに花ひらき」母にも疎まれていた春恵に幸あれ。「薔薇落つる丑三つの刻だれぞいぬ」確かに生きてる人間の方が怖い。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安定の面白さ。事故で亡くなった同級生をいつまでも想い続ける男とその家族の話は気持ち悪くて特に妹が。最後は少しざまあーって感じでスッキリ。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルが俳句の、短編集。

あとがきでBBKの、成り立ちもわかって興味深い。
俳句作者の紹介も⁉︎

どれも。哀愁…。感想としてはコワイ…。
句もすきだけど
〜プレゼントコートマフラームートンブーツ〜

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮部みゆきさんの短編なんて久しぶりに読むな〜♪♪と思って読み始めました。
が……めっちゃ嫌な人間多く出てくるやん……↓
とテンションダダ下がりでした。
えー、宮部さんってこんなに上手にムカつく人間描けるわけ…?

最後はなんだかほんわかして終われたので、そういうふうに短編の話を組み上げてあるんだと思うけど…特に、働かずに司法試験の勉強しながら何回も予備試験に落ちて、浮気して旅行にいっちまう旦那のことを信じ続けて支え続ける娘の母親の話がヤバすぎた。私は絶望した……が、この先全てが万事解決する未来が来るんだろうか…

恋愛絡みのゴタゴタが多いですね。人が我を失う・道を外すのって恋愛ってことかしら…

山降りる旅駅ごとに花ひらき
これは、爽快でしたね!!もうフラストレーションマックスで、やべえ、この本読み終えること無理かもしれん……と息絶え絶えになっていた時にこの話。限界突破したころにまさかの逆転話!
しかも、誰も知らないまま幸せが訪れた系の話。1300万を受け取りながら、地に足つけて春恵が生きていく姿が最高でした。
(税金対策は大丈夫なのだろうか…あ、本人名義で貯金してるから大丈夫なのか。贈与は年110万まで非課税だし)

薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ
また最悪の若者どもが出てきたな‥しね!!と思ってたら、めちゃくちゃハートフルなお話でした。
悪意と善意の残留思念のようなものがあって、最後は善意が勝ってあの病院を守っていたように、
人も最後は善意が勝ちたいね。と思ったり、
ただあのばしょを守ろうとして、そういう生き方(?)をしていた幽霊ちゃんの純粋さに心洗われました。
お化けじゃなくて人間に怖い思いをさせられたミエコには、早く立ち直って、幸せな人生を歩んで欲しい。

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2023年08月27日

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