【感想・ネタバレ】30ページでループする。そして君を死の運命から救う。のレビュー

秋傘水稀 / 日向あずり

「30ページをループするんだ。悲劇を変えるまで何度も！」
ペンギンの着ぐるみをまとった少女・時湖が俺に告げたのは悲劇を巻き起こす〈怪物〉との戦い、熾烈な“シナリオバトル”の始まりだった。
八月七日、名古屋。夏祭り会場で銃撃事件が発生し、行方不明の初恋相手とおぼしき少女が撃ち殺された悲劇をきっかけに、俺は再び八月七日の朝に目覚めていた。“30ページ分しか行動できない”という制約、そして次々と浮かび上がる事件にまつわる謎。ループの中では無数の困難が俺たちを待ち構える。俺と時湖は協力して〈怪物〉に立ち向かうことにするが、着ぐるみを脱いだ彼女の素顔はまさかの…… 。
30ページで悲劇を書き換えられるか。今、運命の二人が試練に挑む。

[ブクログ · ★★★★★]

時湖が射殺されたシーンを目撃した軽助。何故か、彼女を救う事を目的とした、ループが始まる。
本当に紙の本の30ページ毎にループする為、そろそろループが終わりそうだ…！等を考えながら読むという、ちょっとした新しい読書体験でした。
また、ループモノらしく、最後に伏線を回収してく勢いのある展開で、とても楽しめました。
但し、誰が？何故？文字が一部消えている理由は？時湖の過去の行動は？等、何も語らないまま物語を終えるので、結末には賛否両論がありそう。続刊前提でしょうか？何も語らない、という、強い割り切りを感じました。