あらすじ
生き残る唯一の手段は騙すこと――。「光の戦争」は終結し、現代で繰り広げられるのは、スパイたちの情報戦――「影の戦争」。原作3巻をせうかなめがコミカライズ! 邪悪はいつも傍にいる――。
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Posted by ブクログ
『忘我』のアネットを主題としたエピソードだけど、主役を張っているのはティア
原作小説を読んでいる時はあまり気にしなかったけど、こうして漫画という第三者視点性の高い媒体で読むとその意味が見えてくるような
他の少女達に混ざってわちゃわちゃ遊ぶアネットの様子に彼女の特異性を見出す事は出来ない
アネットの特異性が初めて前面に出てくるのはティアが彼女に読心を使った瞬間。直前にこれまた特異性を抱えたエルナの内心が暴かれるシーンがあるだけに、読心を受けても心の中身が見えない、むしろ存在しないと判断されてしまうアネットは特異な存在であると判る
だからこそ、そんな彼女の視点で物語を展開する事は許されず、アネットの内側を垣間見たティアの視点で物語が展開されるわけだ
さておき、『屍』任務そのものはクラウスによってあっさり終了
本題が始まるのはアネットの母親を名乗る女性が登場してから
アネットの内心は見えないのに、彼女の心に関わりがありそうな人物が登場した。なら代わりにアネットの心を推し量って判断するのはティアの役目となる
でも、他人の心を勝手に代理するなんて歪みしか生まないから、モニカと対立するしアネットも別に乗り気になるわけではない
このエピソードではとことん空回りするティアが描かれているね
ディナーのセッティングは上手くいかないし、マティルダの正体も読めない
『紅炉』を目指して優れたスパイになろうとしているのに、現状はその意志を反映しているとは全く思えず
アネットの離脱の可能性を覚悟し、マティルダを引き渡さないリスクも承知で仲間との対立を始めるティアの藻掻きはアネットにどう届くのかな?
そういや、ディナーに出向くからと何時にないお洒落をする少女達の姿には良い意味で驚かされたよ
いつも制服が多いからこそ、そのギャップが目立った結果なのだろうけど
あと、見た目だけなら気弱な善人そうに見えるマティルダも好印象かも