【感想・ネタバレ】君はこの「悪【ボク】」をどう裁くのだろうか？のレビュー

二丸修一 / champi

幼い頃から殺人衝動を持ち、勉強も運動も何でも一番の完璧な高校生、高城誠司。誰とも相容れない彼の前に、初めてライバルとして認められる存在の菅沼拓真が現れる。友情を深める二人だったが、ある日、誠司は拓真に、自殺した妹を殺したのはお前だと問い詰められる。
その瞬間、気がつくと誠司は魔方陣に吸い込まれ異世界に転生していた。魔法で召喚された先のインストリアル王国で、第一王子デュレルの右腕として誠司は成り上がっていく。一方、誠司と同様に転生した拓真も、軍人として第二王子アシュレイの信頼を得て出世していた。
異世界で再会した二人は、国を左右する王子たちの皇位争いに巻き込まれながら、拓真の妹の死の真相に近づいてゆくのだが――。

[ブクログ · ★★★★★]

悪と正義の2人の完璧超人が対峙したとき何がおきるのか。
殺人衝動を持つ完璧な高校生・高城誠司を、彼の唯一のライバルである菅沼拓真が、妹を殺したと責める所から始まるダークファンタージー。
唐突に発生する異世界召喚先で、自身の殺人衝動を解き放つ誠司の思考回路は中々に独特で、面白かったです。
特に、誠司が殺人衝動を満たすことを目的に、色々な策略を巡らせている所が好み。
「正義」とは何かを常に問いかけてくる展開で、中々に考えさせられる(過去のベストセラーを思い出した)。
殺人衝動を持つ主人公であったりして、売れそうなキャラ設定では無いとは思ってしまいましたが、是非続きが読みたいところです。

[ブクログ · ★★★★☆]

殺人衝動を持つ「悪」側の人間が主役のダークファンタジー。なのだけれど、主軸はあくまで主人公の誠司とライバル拓真の男男巨大感情なのだと思った。
誠司と対峙する拓真も完全な正義の味方ではなくて義憤の人なところが、単純な逆勧善懲悪じゃなくてユニークな気がする。

まだ続刊が書けそうな感じで終わってはいるけど、個人的にはこの物語はここで完結したなというか、誠司と拓真の関係性にケリがついた時点でもう主題は見せてもらったなというか……