あらすじ
魔法も仕事も半人前な落ちこぼれ魔女カーラ。本業では師匠亡き後の閑古鳥が鳴く薬局を営み、副業の離婚代行では依頼人はなぜか皆、復縁してしまう仕事っぷり。そんな彼女に、次の副業依頼が舞い込む。
「王妃陛下より薬師の魔女カーラへの下命だ。断ることは許されない」
「帯剣の屈強な男性が脅すなんて、さすが近衛騎士様はご立派ですね」
王妃の使いながら魔女嫌いを隠せない騎士セインと、同じく騎士が嫌いな魔女カーラ。出会いから印象最悪、顔を合わせれば口論ばかりの二人がやんごとないカップルのゴタゴタに巻き込まれるうち、どうにかなるかもしれない話。
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Posted by ブクログ
カーラとセインの遠慮なくポンポン言い合う会話が楽しい。
途中からセインが文句を言いつつもオカンというか過保護になりつつあったのもいい。
それでいて、カーラには伝わらないところも。
安易に引っ付かず、ケンカ友達みたいな感じで終わったのも、からっとしていて読後感がよかった。
縁切りをする筈が何故か復縁させちゃうカーラ。
そもそも依頼者たちはすれ違っているだけで、元より両想いなので、不満をぶちまけることで逆に蟠りを解いてしまうという。
カーラにしてみれば依頼不履行になるので不本意だろうが、人助けには違いない。
彼女の遠慮ない、身分に囚われずにズバズバ言い切っちゃうところは小気味よく、スカッとできたのは読者だけでなく、依頼者たちもだったのかもしれない。
そんな中、過去のトラウマで騎士が苦手なカーラがやんごとなき人からの依頼で組まされたのが、魔女嫌いのセイン。
お互い似たような過去により騎士を、魔女を嫌っているので、似た者同士ではある。
変なところで息合っていたし。
この時の依頼も結果としては復縁、ただ事情は少しややこしかった。
まさか浮気相手も被害者だったとは。
しかも、そこから離婚したいと望む人物が他にも……!更にカーラも実は事件に巻き込まれていた!な展開で、後半は予想外が多数起きて面白かった。
カーラの言動がからっとしてるからかなあ、前述通り読後感が爽やかで気持ちよかったです。