あらすじ
宝石のように透明で色のついた氷を夢みて、インクを水にとかして凍らせてみたら……インクと氷はくっきりわかれて固まってしまった。氷は、水の分子だけで規則正しく手をつないで、水の分子以外のものをおしだしてしまう性質があるからだ。この氷の性質は、地球のおだやかな環境をつくる原動力にもなっていた。ミクロからマクロへ、氷のサイエンス・ジャーニーをお楽しみ下さい!
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Posted by ブクログ
科学絵本にしてはかわいい色合いと絵柄で、これは内容と合ってないんじゃないかとはじめは思った。水の分子がオーバーオールを着た女の子で、空気が色とりどりの風船であるのを見て、これはちょっと…と思った。
が、水が氷になっていく様子を描いたページは圧倒された。ここまで正確に描ければ、女の子と風船でも大丈夫だ、と。
色のついた氷があったらいいのに。赤い氷にはイチゴ味、黄色い氷にはレモン味、緑の氷にはメロン味をつけてサイダーに浮かべたら、美味しくて楽しくていいよね、という絵は、この絵柄だからこそいい。夢が広がる。そうだね、作ってみようよ、と大人でも思う。で、となりのページで赤い氷がアップになって、「でも、色のついたこんな氷、あなたは見たことありますか?」。
確かに、見たことない。
その次のページから色のついた氷を作る実験になる。この流れの良さね。
それから、雲の中の氷、北極・南極の氷、海洋深層流と地球規模の話へ発展していくのは見事。
ラスト近く「色のついた氷ができないのは少しざんねんです。でも、ほかのものをおしだす氷のがんこな性質は、深い海をめぐる大きな海流のはじめの一歩をつくっていました。わたしたちがくらせるおだやかな地球がたもたれているのも、この氷のちいさな力のおかげです。」(P38)とまた、近くへ戻ってくるのもすごくいい。
科学絵本は写真や正確なイラストというイメージを覆す柔らかな絵柄が、日頃科学絵本を手に取らない層にも訴えると思う。
文と絵が非常にマッチした素晴らしい絵本。
こういうのを家に置いて日常的に読み聞かせしたら、子どもは科学が自然に好きになるのではないかと思う。
Posted by ブクログ
氷がなぜ凍るのか、その不思議を説く科学絵本。
透明な氷の作り方から、色のついた氷がつくれない理由の話から氷の性質が詳しく学べる。
その氷から起こる海流の話は、海洋深層流という地球環境を支える大きな営みへの話へと変移していくのが見事な構成。
子供向けではあるが、大人も勉強になること間違いなし。
Posted by ブクログ
氷が凍る不思議を説いた科学絵本です。
冷凍庫の氷をじっくり見たことはありますか?色のついた氷はできるのだろうか?味のついた氷ってあるのでしょうか?というような楽しい問いと答えが書かれています。そして、その小さな問いの答えが、大きな地球に密接に関係していることを教えてくれます。
大人もとても勉強になる内容になっていました。この本を読んで、地球のしくみをもっと知りたいと思うきっかけになりそうです。
Posted by ブクログ
家庭の冷凍庫を使った氷の実験の紹介かなと軽く考えていたら、後半は地球全体の話に発展して大人も勉強になる本格的な科学絵本でびっくり!
水から氷へ姿を変える時の水の分子の話から始まり、色つきの氷ができない理由、水だけでかたまろうとする氷のがんこな性質を海水に置き換えて、深い海の底をながれる巨大な海流「海洋深層流」へと広がる。
海流によって地球全体がほどよい気候に保たれていることにも改めて驚くなぁ。
子どもの知識が広がる良い内容だが、9歳息子的にはあまり興味なかったのか読み聞かせ途中で寝落ちすること3回w
Posted by ブクログ
色水で氷を作りたくなった!
色水で氷を作るとさ、真ん中にだけ色がつくんだって。
僕の考えなんだけど、水の中の菌っていうか、邪魔なヤツが真ん中にくるんじゃない?(S10)
内容はけっこうむずかしいんだけど、絵が透明感があって、暑いこの時期に爽やかな気分になる。
版画のような色付けも面白いし、氷のジャングルの分子の彼女たちが可愛らしい。