あらすじ
うろうろしながら暮らしている、のらねこがのぞき見た、とてつもなく奇妙でユーモラスなお話。のらねこ自身のウィットに富んだ独特な語り口で物語は進んでいきます。第一話「キノコと三人家族のまき」第二話「もちもたれつの館のまき」第三話「おかあさんのいすのまき」第四話「天国か地獄か? のまき」と、ユーモラスに話は進展します。テンポのいい文体、思いもかけない展開に、“おもしろい”と手を打つことうけあいです。
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Posted by ブクログ
オイラはのら猫。
と毎回始まる短編集。
どのお話も興味が増して読み進む楽しみがある。
大好きなお話です。
子供はもちろんのこと大人も楽しめます。
Posted by ブクログ
ノラネコがみた四つの家のおはなし。
不思議なことが起こる不思議な話と、不思議なことは起こらないけど不思議な話がまじっている。
1998年出版だけど、もっと古い話に見える。
特に最初の話は、絵の昭和っぷりがすさまじいこともあって苦手かもなと思った。
成人男性は水木しげるか藤子不二雄にでてきそうだし「奥さん」はサザエスタイルだし。
謎配線のスーパーファミコンがなかったら完全に昭和。
もっと無国籍な絵が良かったなあ。
でも読み進めたら面白い。
ほんのりアクをきかせつつ、ほのぼのした幸せなお話になっている。
Posted by ブクログ
1)キノコと三人家族 のまき
2)もちつもたれつの館 のまき
3)おかあさんのいす のまき
4)天国か地獄か? のまき
テレビでやっている「世にも奇妙な物語」の児童書版という感じがします。
Posted by ブクログ
児童向け「世にも奇妙な物語」みたいな位置づけかな…。タイトル通りねこが見た話がいくつか入った短編集です。
床下に生えてるキノコを食べるとキノコになっちゃう話を読んでしばらくキノコ受け付けなくなった小学生の頃が懐かしい。
個人的に7つの部屋を猫と主人と泥棒5人で回しながら使うっていう話がすごく好き。
なんとなくの気持ち悪さとユーモアが入り混じっていていまだに忘れられない本です。
いま読み返しても、っていうか大人が読んでも絶対おもしろい。
Posted by ブクログ
たかどのさんの本に間違いなし!
テンポ良いし、話の展開が気になってぽんぽーんと読み進めた。まだまだこのねこちゃんが見た話を聞かせて欲しいなー。
Posted by ブクログ
おもしろっ。四つの短編、それぞれみんないい話ではあるんだけど、おもしろっ。
特に第三話「おかあさんのいす」のおかあさんが最高だった。第四話「天国か地獄か?」のとある手ちがいのからくりも笑った。
第一話からだんだんとおもしろ度が上がっていったように感じる。まるで話し手のテンションが徐々にあがっていくかのように。逆に読んでいるこちらが話のノリになじんできたのかもしれない。がくっと力の抜けるおもしろさ。こういうの好き。
Posted by ブクログ
猫が見たいろんな話。
奇妙…というよりも不気味寄りの短篇集ですが、ハッピーエンドなので読後感が良悪くないです。
【キノコと3人家族】
小さな家に引っ越して来た3人家族。怪しい大家のおばあさんに教えられ、床下のキノコを食べると毎日毎日家の中では小さなキノコのようになってしまいます。
それでも朝にはちゃんと人間に戻り、しかも以前より元気はつらつになったみたい。
【もちつもたれつの館】
大金持ちの男は、自宅に7つの寝室を作って曜日ごとに違う部屋で眠る。それに目をつけた風来坊たちは、男が使わない曜日の部屋にそれぞれ眠る。
明日の自分も元気に生きられるか不安な大金持ちの男は、大事な招き猫に自分が明日も元気かどうか未来が知りたいと頼む。
今週使う予定の部屋を次々と覗いてみると、自分のパジャマを着た男の後ろ姿が見える。それを自分の未来の姿だと勘違いした大金持ちは、安心してぐっすりと眠れるようになりましたとさ。
【おかあさんのいす】
人の入れ替わりの激しい社宅の1室で、不思議なことが起こるようになった。
どうやらこれは古道具屋で買った椅子の魔法らしい。
調べてみると、椅子の裏には「この椅子にに座っておかあさんが子どもたちに言ったことは、全て本当になる」と書かれていた。
「子どもたちのテストはずっと100点」「お年玉がざっくりもらえて、その半分はお母さんがもらえる」
魔法の期限ギリギリにそんなお願いをしたお母さんと子どもたち。それがほんとに叶ったかというと…
「それがなんと、わからないのさ」猫が次にその家を訪れた時には、既に家族は次の転勤で引っ越してしまっていた。
「ま、そうぞうして楽しもうじゃないか「すっげえ!こんどの転校生、百点しかとらないぜ!」といわれてるきょうだいのすがたなんかをね。え?そうぞうがつかないって?じつはオイラもだよ、ハッハッハ」
【天国か地獄か?】
ねこが気がつくと、ふわふわと霧が立ち込める中で列に並んでいた。前にいたおばあさんの番になると、おばあさんと係の男の人が言い争っている。「天国なんか冗談じゃない!」「あなたのピアノの音色が人を幸せにしていたので、あなたは天国行きです」
そうだ思い出した。自分もおばあさんのピアノを聞いていた。雨から逃れようと誤っておばあさんの家に入ってしまい、ほうきで追いかけられて、二人してベートーベンの石像の下敷きになったのだ。
「ばあさん。いっとくけどな、あんたのピアノで、オイラの心はしあわせになったんだぜ。ほかのれんちゅうだって、きっと同じさ。だからあきらめて、天国に行きな」
結局亡くなる予定だったのは別の人たちで、おばあさんとネコは地上に返される。どういうわけかおばあさんはネコの言っていることがわかるようになっていた。
おばあさんは人(とネコ)の心を幸せにできていたことに喜び、ねこも人をこんなによろこばせることができて嬉しかった。
そしてふたりは、一緒にしあわせに暮らすようになりました。