【感想・ネタバレ】対人支援のダイアローグ オープンダイアローグ、未来語りのダイアローグ、そして民主主義のレビュー

あらすじ

現代社会は,対人支援の現場においても,協働作業が難しい状況にあり,障害者支援システムは大転換の時代にある。
本書で展開されるのは,精神科治療のためのオープンダイアローグと対人支援組織や当事者―支援者関係のための未来語りのダイアローグを統合するための実践的な試みである。ふたつのダイアローグでは,支援者に高度な精神療法的配慮とソーシャルネットワークを集める視点が求められる。著者は,共同体の再生を目指す,ふたつのダイアローグの技法的側面と治療哲学をバフチンの「ダイアローグの思想」を引用しながら有効な治療戦略としてわかりやすく解説する。
巻末には,未来語りのダイアローグの研修を共にした実践者、竹端寛氏・舘澤謙蔵氏とのダイアローグの真髄に触れた座談会を収録した。当事者・家族、そして治療者の悩みをダイアローグし続ける心理的支援を目指す新しい臨床的試み。

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Posted by ブクログ

社会派の著者のODとADについて、著者がこれまで書いてきたものをまとめたものが前半で、後半は「神田橋精神療法とオープンダイアログ」と、この本の言わんとするまとめになる座談会が良かった。技法論だけでなく、ソーシャルネットワークとしてのダイアローグを3つ目の側面として加え、組織や社会を含めネットワークが変わることが障碍者を含む多様な人を包摂する社会になり、そこでは安心して過ごせる社会になる。トラウマに満ち、傷付きやすい人も包摂するネットワークを対話でどのように取り戻すかを示唆する書であった。

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2023年05月24日

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