あらすじ
祝★手塚治虫文化賞…新生賞!ガン闘病記!
二〇一九年四月。
抗ガン剤の副作用の中
”元気な人たちの世界”との断絶を感じていた、
ひねくれ漫画家・ガンプ。
そんな新たな「にちじょう」を生きる中で、
読めば自身がガンだと分かる漫画が完成してしまう。
ガンプは作家の性(さが)に抗えずツイートしてしまい―――
これは、四十歳手前の漫画家が記す…
徒然なる”ガン闘病”の軌跡である。
不惑間近、単行本に初めて重版がかかったマンガ家「ガンプ」。
上向きかけた彼の日々を一変させたのは、ステージ4の大腸ガンでした。
妻の「サテコ」とつつましく暮らしつつ、ひたすらマンガを描いていた彼を待ち受けていたのは
不安しかない検査と治療の日々。
仕事も家事もままならず、健康だった頃は遠ざかっていくばかり。
仕事のチャンスを手放す描写には胸がしめつけられます。
「すぐに泣けるサテコに半ば感心しつつ『ごめん』と声をかけたと思う」という告知のシーンのモノローグや、
インチキじみた医師への複雑な感情など、
病気に苦しみながら自分の心の動きをこんなに冷静に解釈できるものなのか…と圧倒されます。
ふんわりしたタッチのイラストが作品に奥行きと味わいを与えています。
健康診断、もうちょっと真剣に受けよう…と思った、脂肪肝の書店員でした。
感情タグBEST3
怒り
「アホ」って作者がSNSの反応に対して言うシーンが
印象に残りました。「善意のはけ口にされるのがたまらなかった。」
「この漫画は駄々だ」っていう言葉…特に好きです。