あらすじ
人は多面性を持つ
さながら阿修羅のごとく
槙野・東條シリーズ最新作
晴海ふ頭近くの空き地で男性のバラバラ死体が発見され、捜査一課の長谷川班が捜査に乗り出す。司法解剖の結果、遺体の傷すべてに生活反応が認められ、被害者が生きたまま四肢と首を切断されたことが判明。しかも、頭部には「生ゴミ」の貼り紙まであり、長谷川班のエース・東條有紀は、事件の猟奇性の裏にある動機を探る。しかし……。
吉田作品は現代を象徴するような何かを焦点化することはほとんどない。どちらかといえば、「人情」や人との「縁」による犯罪捜査など昔から連綿と続くものが事件解決の重要な要素になっている。それこそ、テクノロジー全盛の時代において、これはいささか古く感じてしまう部分もあるかもしれない。だが、やはり現在の話を描いているので、よく眼を凝らしてみると、それこそ「今」を反映している部分が色濃くある。(解説より:藤井義允)
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Posted by ブクログ
シリーズ化とは知らずに、いきなり本書から読んでしまったが。
内容はかなり残忍な表現が多くてしんどくなるが、東條と記者の工藤が犯人を追い詰めていく様が気になったし、最後のオチももうひとつ、ふたつも盛り込んであってでも綺麗にまとまっているので読み終えてスッキリした。
色々な刑事小説を読んでいるが、東條有紀というキャラクターの設定が今までにない新しいタイプでそちらも新鮮だった。
Posted by ブクログ
10月-16。3.5点。
東條刑事シリーズ。探偵槇野は電話だけで登場。
バラバラ死体で頭部に「生ゴミ」と貼られている凄惨な事件。捜査に当たる東條、捜査過程で姉の惨殺事件にも絡みが。。。
なかなか込み入った事件、でも上手く描写していたと思う。
Posted by ブクログ
槙野・東條シリーズ。
晴海埠頭で発見されたバラバラ遺体。
頭部には「生ごみ」の張り紙。
冒頭から生きたまま、切り刻まれると言うグロテスクなシーンで始まり、さすがにちょっと引いたが、被害者が1年前に起きた殺人死体遺棄事件の容疑者の知人であることから、様々な過去の事件が複雑に絡み合っていく流れに、一気に引き込まれてしまった。
槙野・東條シリーズだけど、今回は槙野の登場シーンはほぼなし。しかもオカルトもなし。純粋な殺人事件の捜査の様子を東條と、今作から登場する記者の工藤の連係プレイで描いていく。
今作まで未解決だった東條の姉を殺害した犯人も判明し、このシリーズもここで一旦一区切りなのかも。
ラストでは次に続くような描写もあるので、新章のような感じで、是非次回は槙野の出番を増やして欲しい。
そして、もう少し本屋で売って欲しい。
手に入れるのが、一番大変・・・