あらすじ
古代日本史における衝撃的な新説を説いた論文が盗まれた――。
大学教授だった亡き父の最後の論文が誰かに盗まれたと疑いを持った篠宮奈流美は、消えた父の論文の手がかりを探すため生前父と交流のあった糸魚川の郷土史家・衿角家を訪ねた。学者並みの知識を持つ青年、児嶋陸を紹介された奈流美は、父から聞いていたヘビ、ハチ、ムカデ、そして出雲大社というキーワードから消えた論文の捜索の協力を陸に求める。
果たして論文は本当に誰かに盗まれたのか、そして解き明かされる古代日本人たちが体感していた神秘とは――。
圧倒的な知識と考察で描かれる古代日本の神話と神秘に触れる本格歴史ミステリー小説。
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Posted by ブクログ
オオクニヌシとはどんな人物だったのか 古代日本史の新説を書いた教授が事故死し論文も消えた。クワガタ好きの主人公翡那と幼馴染の陸が、消えた論文を探す。
おどろおどろしい表紙とは裏腹に、主人公翡那目線で軽妙に物語は進んでいく。地の文が、敬体であるのが珍しい。
「オオクニヌシは、ヘビやハチ、ムカデ ー つまり鉄や青銅、水銀を採掘し精製する人々と領布(ひれ)で取引をしている。ウサギのような海を渡って出雲にやってきた来訪者を、保護し、歓待している。」
オオクニヌシは公正なルールを設け、利益を分かち合う神様だった。
単なる探偵小説ではない。論文探しというストーリーを通して、オオクニヌシとは何者かを考察している。非常に興味深い作品だった。読んで良かった。