【感想・ネタバレ】走馬灯症候群のレビュー

あらすじ

不思議な夢を見るようになった。幼い頃の懐しい思い出から始まり、学生時代、社会人時代と、日に日に夢の中の自分が現在の年齢に近づいていく。夢は走馬灯のように駆け巡り、現在に追いついたとき、その人は必ず死ぬ――それは恩師の堀越教授が調べていた「夢喰い」という奇病だった。この奇病の正体を突き止めるために調査に乗り出した助教授の牧野は、中学の後輩で通信会社社員の咲元が「夢喰い」に蝕まれはじめたことを知る。戦慄のタイムリミット・ホラー・サスペンス!

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Posted by ブクログ

幼いころの懐かしい思い出の夢。突然見るようになった不思議な夢は、学生時代、社会人時代と、だんだんと現在の自分に近づいていく。そして現在に追いついた時、その人は必ず死ぬ。
恩師が調べていた「夢喰い」というその奇病の正体を突き止めるため調査をする牧野は、中学の後輩で通信会社社員の咲元が「夢喰い」に感染している事を知る。


走馬灯のような夢が現実に追いついたら死んでしまうという謎の奇病「夢喰い」の正体を探っていくホラーサスペンス小説です。
どうやらこの奇病、死ぬ前に話した人へと感染していくらしい。この病の正体とは、そしてそれを止める手段とは。「夢喰い」という怪異の正体を探っていく牧野サイドの話は怪異を探っているとは思えないほど理論的。感染条件にも感染方法にも明確なルールがあるので、そのルールを回避しつつ相手を追い詰めるという、ちょっとデスゲーム系というか、そんな雰囲気も感じます。

と、同時にバブル期の通信会社を舞台にしていて、咲元サイドは当時の通信業界のお仕事小説的側面もあります。激務、サービス残業、休日出勤の連続。今では考えられないような勤務状況ですが、通信業界の発展を信じ、夢と信念をもって仕事に熱中しているのがキラキラ輝いて見える。少なくとも、激務と言うと出てくるような「社畜じゃん」みたいなイメージではないです。同僚や上司も情熱的で前向きな良い人ばかり。まあ……かといってここで働きたいかと言われると遠慮したいですが……。
この時代が舞台となっているのにもきちんと理由があるのが良かったです。
作者さんも実は元NTT勤務だそうで、その当時の思い出が書かれているのかもしれません。

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2024年06月06日

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