あらすじ
米国は「アメリカ is バック」の基、対中包囲網の強硬化を進め、一方中国は共産党建党100周年を迎え、ますます右傾化の道を歩んでいる。
本書では、新進気鋭のエコノミストが「混沌の2021年」を地政学から考察し「したたかな投資戦略」を導き出す。
新たな覇権争いのテーマとなる半導体、脱炭素、EVなど次なる巨大市場を徹底解説!
旧冷戦終結で低迷した日本経済は新冷戦開始で大復活を遂げる。「ジャパン is カムバック」のシナリオを描く!
・目次
Phase1 バイデン政権が目指す世界 5大施政方針から読み解く
Phase2 終わらない中国の覇権主義 毛沢東を標榜する習近平
Phase3 脱炭素社会に舵を切った世界 段階的に見直しが必要なエネルギーミックス
Phase4 半導体戦争の行方 日の丸半導体が復活する
Phase5 日本経済が復活するこれだけの理由 世界が日本を見倣う時代が来た!
Phase6 『会社四季報2021年夏号』から株式市場を展望する
(はじめにより)
いわゆる”コロナ疲れ”である。これが原因で、世界で政権交代の嵐が起こるだろう。すでにアメリカでは政権が変わった。
トランプ政権のパンデミック対応の評価はさておき、パンデミックがなかったら民主党はまず勝てなかっただろう。
イギリス、フランスやドイツでも政権交代が起きる可能性が十分ある。欧州は最も長くロックダウンを行った地域であり、国民に相当不満が溜まっている。
日本国民も例外ではない。ーー
新しい世界はアメリカと中国の激しい覇権争いの舞台になるが、世界の平和と秩序を守るために日本が大きな役割を果たすことになる。
日本の人気がますます高まり、世界の富と頭脳が日本に集まり、日本はアジアの金融・貿易ハブとして栄える。
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Posted by ブクログ
出版時は2021年ですが、明るい話題のほとんどない今の日本・日本人にとって少しでも明るい希望の持てる内容の本は嬉しいです。
世界・中国・エネルギー・日本のエネルギー政策の未来・半導体・都市鉱山・日本周辺の海底資源・日本の金融センター・ジャポニズム・日本の職人技・日本の鉄道、道路、水道等の優れたインフラは国民の共有資産・高齢者の経験値を活かす時代・スーパーシティ構想・連続性のあるストック型のビジネス
優れた製造をしていくためには、東京・蒲田や東大阪などの日本の中小企業の優れた技術が欠かせないこと。
少子化と人口減少と高齢化社会に関するネガティブな観点ばかりではなくて、最も肝心な”就労者を減らさない”という観点が抜け落ちている。という指摘には、これからの日本社会にとても示唆に富むアドバイスです。
日本の良い点に関しまして、食べ物がおいしいこと・街が清潔で綺麗であること・交通の便が良いことは、日本人でも外国での経験がある人たちがよく指摘しています。
本書の趣旨に反してネガティブなことを挙げるのはおかしいのですが、人々が親切であること歴史や伝統が保たれていること・治安が良いことに関しては、だんだん不安になってきています。
よく外国人の方々の本音で、日本人は礼儀正しくて親切だけれども、ちっとも親しく付き合ってくれない。という意見をよく読むことがあります。
歴史と伝統に関しましては、いまのマスメディアの報道内容があまりにもひどすぎると思います。
なぜならば、過去から現在までの日本人の、今後も伝えていかなくてはいけないはずの優れた業績である、いろいろな街づくりをした人たちの話や優れた企業、風習・技術・伝統・文化・歴史を、数多くの日本人に伝えていこうという良心的なマスメディアは、大手メディアには皆無です。
こんな異常で悪質なメディア環境下では、歴史と伝統を大切にしていこうというまともな日本人が育つわけがありません。
また治安の良さに関しましても、ほとんどの日本人が”悪さや犯罪的”なことを行わないだけで、安倍首相狙撃事件などからもわかるように、日本は確かに治安が良くて安全な国ではあっても、いざ何か”悪さや犯罪”を行おうと思えば、いくらでも簡単に行える国。
だけれども、ほとんどの日本人はそういうことをしないから安全だよという意味での治安の良さだと思います。
社会貢献活動に関しまして、難民キャンプの現地の人の「我々は支援物資が欲しい訳ではない、本当に欲しいのは種だ」という言葉から考えさせられて、対症療法的な支援ではなくて、根本的な解決のために、「本当に自立するまで徹底的に支援するのが本当の施し」であり、それは現実的に”範を示す”ことではないだろうか。と述べられています。
”おわりに”で
日本はいまだに世界の大国であり、世界は日本に大いに期待している。
ゲーム・漫画・アニメ・SNSやネットを通じたものは、日本のソフトパワーになる。
世界の平和を守るという大役がアメリカと中国の間にある日本にまかされているし、それができるのは日本しかない。
日本人も日本を過小評価しないで日本の明るい未来を信じて、本書を参考にして頑張ってほしいと思う。
と書かれています。
わたしは世界の中でということよりも、何代か前までのご先祖様たちは日本人で間違いがありませんし、ずっと日本の土地・インフラ・教育環境・公共施設・水・食べ物の中で育ってきていて、周りには日本人が多いはずなのですから、それならば日本人としてというだけではなくて、まず人間として、日本と日本人のために働いて、生きていくことは当たり前すぎるくらいに当り前のことだと思うようになりました。
ポジティブな精神状況になれる情報や、話題がほとんどない今の日本社会ですが、日本人として私も自分なりに頑張っていくしかないと思います。