あらすじ
日本のロック史に
Charという稀代のミュージシャンを位置付ける
壮大なドキュメント
1976年「Navy Blue」でデビュー以来、常にギター・シーンの先頭を走り続け、今でも進化をやめない稀有なギタリスト、Char。2025年に古希(70歳)を迎えるのを記念して初めての評伝を刊行する。本人をみっちり取材するのはもちろんのこと、活動のタームごとに関わってきた重要な人物を多数取材し、Charにとっての"相対者"の発言と対比しながら、その実像を多面的に描いていく。取材対象者は、実兄の眞人、元マネージャーの長尾哲士、江戸屋代表の石田洋一、泉谷しげる、金子マリ、クリス・ペプラー、佐藤準、JESSE、トミー・スナイダー、仲井戸"CHABO"麗市、鳴瀬喜博、古田たかし、布袋寅泰、ミッキー吉野、山岸潤史、ロバート・ブリルなどなど。あらゆる歴史には当事者の数だけ視点があるが、それらを交えながら日本のロック史にCharという稀代のミュージシャンを位置付ける。これはよくある自伝でもモノローグでもなく、壮大なドキュメントである。
contents
第1章〈誕生~12歳〉 戸越のチャー坊
第2章〈13歳~20歳〉 開花
第3章〈21歳~23歳〉 栄光と挫折
第4章〈24歳~32歳〉 無敵
第5章〈33歳~42歳〉 新たな挑戦
第6章〈43歳~54歳〉 ギター・アイコン
第7章〈55歳~70歳〉 本物の自由
第8章 Charと呼ばれて
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Posted by ブクログ
稀代の天才ギタリストChar師匠の自伝的作品。 しかし自伝ではなく評伝と言うらしい。 評伝とは単なる伝記ではなく、その人物の作品やひととなりについて、批評的に描いてゆくノンフィクション作品ということらしい。
私がChar師匠をフォローし始めたのがwhen I wake up in morning …が発売された時なので1989年のはず、当時J-WaveでAll Around meが鳴りまくっていた。 今から考えるとクリス・ペプラーの仕業だったのか?
その後全公演追っかけしたツアーもあったなぁと思い懐かしい。 ツアー移動中の旭川空港で一緒に写真撮ってもらったり、東京公演の最前列でみてた時にピック貰ったりと色々な思い出が走馬灯の如く蘇った。
さて本書ですが、まずまとめていただいた細川真平氏に敬意を持って感謝。 60時間もChar師匠にインタビューできて羨ましい。 色々知らない事を知ることができた。 特にスモーキー・メディスン 以前の活動は知る由も無かったので貴重。 欲を言えばカンナさんとの出会いから一緒になるまでを、本人談含めて聞きたかった。 プライベート過ぎて無理か…
近年のライブの記述が、確かに日程中心になっているため、雰囲気が伝わってこないところはあるものの、これ全部書いてたら2,000ページ越えちゃうから無理かなぁとも思った。
自分的な後悔は竹中医院でお母様の診察を受診しなかったことかな。 最後のお母様の短歌集は涙もの。自分の息子の才能を信じて決して反対していなかったのかと思い胸が熱くなった。
あと何年liveが見れるか、あと何作新譜が聞けるか、今後の活動にまだまだ期待したいと思う。
Posted by ブクログ
竹中尚人、日本のロック小僧にとっては神様のような人物の評伝。全8章で構成されており、1から7までは竹中が、いやチャーが生まれてから古希を迎える昨年までが時系列で語られる。最後の8章はチャーに関わって来た人たちのインタビューとチャー自身の語り下ろし。チャーについてはほとんど知ってるつもりだったが、意外にも思い込み違いが幾つかあった。最初にチャーの名前が有名になったのは、スモーキー・メディスン時代、当時高校生がギターで参加したという伝説から。僕はスモーキーの金子マリか鳴瀬がチャーをバンドに入れたと思っていたが、なんとなんとスモーキー・メディスンのバンドコンセプトから、どんなメンバーがいいかまで全てチャー本人が仕掛けていたのだ。そのスモーキーの解散理由は方向性の違いもあるけど、最年少のチャーが最高年の鳴瀬の下にいるのが嫌になって自由にやりたいと思ったからという部分も大きい。スモーキーの解散前にジョー山中のコンサートの前座をサウス・トゥ・サウスと一緒にやり、その時に石やんと仲良くなった。これは地元でBAHOのライブを見た時に二人が話していたな。
その後、なんと芸能界デビューをするのだが、その直前に頭脳警察を解散したパンタのソロ・デビュー・アルバムにギタリストとして参加。バリバリに弾きまくっている。そしてそのレコーディング後、パンタの家に泊まり風呂に入ってパンイチのまま芸能界デビューするとパンタに報告。ロックを日和るのかなどと無粋な事をパンタが言うわけもなく、思いっきり暴れてこいと送り出されたエピソードもちゃんと書いてある。
もう一つの思い込み違いは、例の覚醒剤てかドラッグ問題でチャーはパクられたと思っていたが、なんと逮捕はおろか、事情聴取もされていない。任意出頭に応じただけなのだが、当時のテレビや新聞では大々的に報道され、悪印象を持たれてしまった。芸能活動から身を引いてJL&Cとして活動始める予定が全て狂ってしまい、自宅謹慎みたいな状況になった。その時、声をかけてくれたのが昔からの仲間であるカルメン・マキ。そして江戸屋レーベルからZICCAレーベルに至り今があるのだ。ジェフ・ベックの家に遊びに行ったら、ジェフに気に入られ延々とセッションした話や飛行機の時間があるから帰ると言うとジェフが拗ねてスタジオから出てこなかったなどと言う微笑ましいエピソードもふんだん。しかし通して読んで思うのはチャーには自由という言葉が良く似合う。そう、ロックは自由な音楽だった。いつのまにかその自由は不自由に変わり、平等が差別にレイシズムに変わった。ロックは死んだ、かもしれないがチャーが活動している間はなんとか生き延びていると信じたい。読み応えのある硬質な評伝だ。