あらすじ
憤ったり、すねたり、思索したり、孤独に沈む性悪な猫たちは、性悪女を自覚する彼女の分身。でも、託すべき想いと託される猫との間には距離があり、両者のモノローグが交響し、静謐な詩情の世界が現れる。『さくらに風』にはこんなセリフがある。「やさしい自分であろう、やさしさを失くすまい」;と貴方が思うとき、貴方は淋しいのだ。やさしく在ろうと努めたことが、誰の為になったろう……と思うとき、貴方は傷だらけだ」。自立した女性の繊細な感情を猫のしなやかな姿態に託した鋭利な感性と詩情の世界。急逝した著者の代表作がよみがえる。収録作「出口」「性悪猫」「長ぐつ はかない ねこ」「時間の兵隊」。単行本未収録作1編と新たに発見された貴重な猫イラストを初収録!
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Posted by ブクログ
猫の目を通して、素敵な言葉を書かれる作家さん。
悩んでいる時、一人寂しい時心に響きます。
「優しい人になる」とは何のために?誰のために?
他人から見える自分を気にして生きているのかなと改めて考えさせられた。
「子どもを産んだと同時に母の自分も産んだのだ」
素敵な言葉のプレゼントです。
Posted by ブクログ
私が持っていたのは、たぶん初版で、青土社のもの。
表紙、素敵でした。復刻してほしい。
引っ越しで手放してしまったけど最後まで迷った一冊。
当時、マイナーな感じだったけどこのすぐれた作品はきっといつまでも残ると確信してました。
「おひさまいっこあれば」って見上げる猫の表情とか、
とにかく猫描写が秀逸。
Posted by ブクログ
先月小学館から出たんですね~。
写真が無くて新しいのを引いてきましたが
実際にはちくま文庫版で読みました。
古本屋さんでタイトルのインパクトだけで選んだのですが
内容が素晴らしすぎて選んだ自分に感動したほど。
こんな気分のときあるわ~って思いながら読み返してます。