【感想・ネタバレ】淫獄団地 1のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ホラー、サスペンス、コメディ、パロディ、エロス……。
 様々な要素がぶつかりあう、ここはジャンルのるつぼ。
 そんな物語へようこそ。パロディ強めのエロティックサスペンスホラーコメディエロスシリーズの第一巻である。

 高卒就職失敗組の主人公・ヨシダは、父が務めていた団地の管理人職を代理で後任することになった気弱な青年である。
 女の変質者が多数出没すると評判の団地で彼が目にするものは何か。

 1号棟のワタナベ。(大変危険)
 2号棟のイチノセ。(危険度は少なめ)
 3号棟のミズタニ。(メチャクソ迷惑)

 この一巻で目にするのは、所詮はレアリティB。危険度B程度の人妻危険度ランクに過ぎない。
 団地を支配する危険度A人妻、そして危険度Sの「未確認反社会人妻」。
 関わっただけで死ぬとまで噂される恐るべき人妻たちが、新米管理人ヨシダをこれから虎視眈々と待ち受けているのである……!

 といった具合に、こちらも人妻の2号棟のカタギリ(密告クソ野郎)を狂言回し役にして、物語はテンポよく展開している。
 特徴は何といっても変態キャラのアイディア。
 描き込みが凄まじく、エロティックな描写をすべてかき消すほどのネタが強い。

 原作を担当している搾精研究所は同人方面で名の知れたサークルであり、その変態アイディアの豊富さはこの作品でもいかんなく発揮されている。
 さらに一段上の危険度Aのヤバさはセールスレディ「カンザキ」で垣間見せているが、期待していいヤバさである。

 Twitterで連載の度にトレンド入りし、「君は卑猥だから禁止ね」と作品名が除外されたにもかかわらず、更新話のパワーワードが代わりにトレンド入りする凄まじさだ。
 コメディ漫画としてのパワーはすこぶる高い。
 搾精研究所のノリを完璧に作品化している丈山雄為さんもまた素晴らしいの一言だろう。

 一方で、単行本化に際して局部(↑の方)の描写を解禁していて、

「あっ、なんかエッチになってる……!」

 と個人的には不思議な思いが否めなかった。
 ニコニコでツッコミ付きで見てるとギャグに思えるのに、家で一人で紙の本を読んでいると、なんか思ったよりエッチなんだよなあ……。
 その方向の進化は必要だったのか? とサービスにうろたえている次第である。

 今巻はまだ出だし。出だしから飛ばしすぎの感も否めないが、世界観説明的な巻でもある。
 これからの伸びしろを残す意味で星四つ半相当と評価しているが、おそらく星五つを連発するシリーズになると思う。

 なお、星半個を下げたの、上述したように「意外にエッチだったから」という妙な理由もあった点は付記しておきたい。
 ホント、謎のうろたえがあったので……。

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2021年07月31日

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