あらすじ
死と向き合うことで、
自分はどう生きるべきかということが
浮かび上がってきます
格差社会と言われる中、誰にでも「平等」に訪れるもの――それは「死」です。
どんなに健康を保とうと努力しても、「死」は万人が受け入れざるを得ない“宿命”なのです。
あなたにとって「死」のイメージとはどんなものでしょうか? やはり怖いものですか?
死ぬ前・死ぬとき・死んだあと――いったいどんなことが起きるのでしょうか?
そもそも死ぬことは不幸なことなのでしょうか?
誰もが迎えることになる「死」についての知識を深めることは、「自分の生き方」について深く考える作業となります。「死」を考えることは「生」を考えること。
三大宗教をはじめ、多くの宗教の現場を取材し、それぞれに向き合ってきたジャーナリスト池上彰氏による「死」の世界の考察。
巻末には、釈徹宗氏との対談も収録。読者の皆さんからの「死」をめぐる質問にお答えします。
■はじめに
■第1章 そもそも「死」って何だろう
■第2章 人はなぜ死ぬのだろうか
■第3章 宗教でこんなに違う「死生観」
■第4章 「死ぬとき」に起こること
■第5章 「突然の別れ」と向き合う
■第6章 「死」をめぐる質問にお答えします
■おわりに
■コラム 世界のお葬式から
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Posted by ブクログ
ー メメントモリ 死を忘れるなかれ
死とは、呼吸停止、心拍停止、瞳孔反応消失。宗教によっても捉え方が変わり、向き合い方、葬儀も異なる。カトリックは死を罪とし、神道では穢れのように扱う面も。神道では、死して腐敗したイザナミから逃げたイザナギは海で穢れを払い、その際に清めの塩という考えが根付く。仏教では輪廻。一切皆苦、六道、追善供養。そうした死の価値観から、臨死体験まで幅広く触れるのが本著。コロナ禍や東日本大震災など、死に近づく社会の描写は当時を思い出し感情を揺さぶる。
数年前、身内が亡くなり、不思議な体験をした。そのせいで、時々死の事を考える。ふと、頭では理解不可能な、その世界と繋がっている気がする。本を読み進める動機の一つは、そこから逃れるためでもあり、そこに到達するためでもある。
死の直前に譫妄を見る。タクシー運転手は幽霊を乗せる。不思議なのは脳かも知れないし、信仰かも知れない。
Posted by ブクログ
「この人がこんな本出してる!」と気になった『池上彰と考える 「死」とは何だろう』(池上彰)。
【死】に関する本を読むなんて今回が初めてです。
読んでる本や雑誌の中に「出てきた!」っていう事はありますが。
宗教じみた書き方をした本が嫌で、
「このタイトルはアブナイだろうアンテナ」を常に張り巡らせ、
万が一、内容的にそれに当たってしまった時はパチーンと閉じて何事もなかったかのように戻します。
しかし、今までテレビで著者を見て、説明を聞いてきた感じでは
「この人はそういう人じゃなさそう」と思ったので、
「よし、読んでみよう!」と。
読んでみて、
主に以下4点でめくる手が止まらなくなり、メモまでしちゃいました…。
◆細胞の自発的な死=アポトーシス
→ 「種の絶滅を防ぐために生まれた」というスケールのデカさにびっくり。
◆各国のお葬式事情
→どれを読んでもあらゆる意味で「えええ」
◆スティーブ・ジョブズの死生観スピーチ
→ 「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せ。」という言葉がいろんな意味でグサッ。
◆東日本大地震での「あいまいな喪失」に関する取材。
→「遺族に対するケアとは何か」の例をいくつか知れましたが、それを考えるよりも読みながら泣いている時の方が長かった気がする。
…と、こんな感じです。
「知れて面白い」「悲しいけれど、無知から一歩離れられて良かった」が混在していて、複雑なキモチです。
しかし「この本を取ってよかった」とは思ってます。
Posted by ブクログ
引き続き死についての本を探して読んでいる。それはより良く生きることにつながると信じているため。
最初は簡単な内容で物足りなく思っていたが、後半に行くにつれ学び、自分で考えることが多く出てきて良い本であった。
最初の「そもそも死とは」のところは、池上彰さんらしく万人に分かりやすく描かれているが、私には物足りない、あまり得るもの無いかなと思って読む進が、コロナウイルス感染死んだ方の妻が残した記録は衝撃的だった。普通に元気に働いていた人が、徐々に病魔に蝕まれて、急に亡くなってしまう様。怖さを感じる。
また東日本大震災の後、タクシーの方が幽霊を乗せた話が多く残っている話はあり得るよなと思う。
早くなくなった方は、「神から愛されたから」という考え方。
Posted by ブクログ
日本の三大死因のうちの1つに老衰がある。
人間はいつしか「自分も80歳くらいまでは生きるんだろうな」と 漠然と考えながら生きている。
そこから逆算して人生のライフプランを立て、老後2000万円問題 や年金の心配をする。
しかしコロナや地震が脅威をふるい「いつ死んでもおかしくない状況」を肌で感じることが多くなった昨今。
若いからといって死から目を背けるのではなく、死について積極的に考え、「今を大切に生きよう」 という心持ちが大切。
曖昧模糊としていた自分の死生観が、本書のおかげで少しだけ見渡しの良いものになった気がする。
Posted by ブクログ
アポトーシスを知り、なぜ生物は死ぬ必要があるのか理解した。
死ぬのは怖いが、寿命があり生に限りがあることで、自分はどのように生きていきたいのか深く考えることにつながり、生を全うできるのだと思う。
つい忘れがちだが、当たり前の日常がどれほどありがたいものか、ふとしたときに思い出したい。
Posted by ブクログ
より歳を重ねていくにつれ、死というものが身近になっていくと実感するこの頃。そんな時に本書と出会い、読んでみました。
死について科学、宗教、医学的知見を踏まえながら世界の事情も絡めつつ分かりやすく解説してくれるのは流石と言ったところ。
所謂「お迎え現象」については否定的な意見は多いものの、体験者のリアルな声を聴いていると、本当にあるかもしれないと思った。
またコロナ禍に置いて「曖昧な別れ」が頻発しており、愛する者の最期を看取れないことがこんなにも辛く、悲しい事だと改めて思い知らされた。
有限だからこそ人生に意味を見つける。死を穢らわしいものだと思わず、人生の素晴らしい幕切れだと考えて明日を生きていこうと思いました。
Posted by ブクログ
コロナ禍で生き方を見直す人も増えただろう。そんな中、書店で見つけた本。思わず手に取った。
「死」について怖く感じるときもあった。そのころにこんな本に出会えていたらもう少し早く楽になっただろうに。「死」について前向きに考えるきっかけとなった。
Posted by ブクログ
医学生物学・社会学・心理学・宗教といった様々な論点から「死」を丹念に追っていく良書。
『死体は語る』『エンジェルフライト』『救急救命センターからの手紙』『遺体と火葬のほんとうの話』など、死生観にまつわるものは色々と読んできたが、この本も「死」を考察する上で必要なことが書かれている。
特に、新型コロナウイルスで亡くなった方のご家族が書かれた日記は強く胸を打つ。咳が出始めてから火葬までわずか1ヶ月の間に家族が亡くなってしまったというご家族の話だが、大事なのは、このことは罹患したら誰の身にも起こりうる、ということではなかろうか。
「生きること」とその先にある「死という現象」に興味がある人におすすめできる一冊。
Posted by ブクログ
死に関して、科学的、宗教的、文化的な視点でそれぞれ解説された本。
内容としては分かりやすく、読みやすい。
池上彰氏のテレビで耳馴染みのある語り口で書かれている。
もう少し本質的に死について迫る内容を期待していたため⭐︎3つ